ウォーミングアップ。
気がつくと、座席はかなり埋まっていた。そしてわたしたちの背後、ずっと後ろのほうには、高校生風が大勢座っている。
学校関係の招待だろうか、「団体席」ってなってたし。

おそらく、フィギュアスケートを生で観るのは初めてなのだろう。
ちょっとしたリフトやジャンプで「うわ〜〜!」「おお〜〜」「きゃーー!!」。歓声を上げまくっている。

新鮮だ。新鮮だわ。初観戦ならペアは特にダイナミックで、驚きと感動に満ちているだろう。インパクトとしては最高のものかも。
きみたち、もっともっと騒いで、盛り上げて!!

ああまったく、彼女らに武史くんの勇姿を見せたかったわ、とちらと頭をよぎる(笑)。
正統派さわやか系クラシック、が今日は無かったことも手伝っていたかな。
フィギュアスケートの魅力は、まだまだあるのよ、覚えておいてくれると嬉しい。


サラ&ステファン。
何度観ても、それは忍者じゃない・・・(仕方が無いけど)。
Japan Open で交わした会話を思い出す。

「忍び」って書くの。目立っちゃダメなの(^_^;。中国と日本は違うの・・・誰か教えてあげて。
といっても、彼らにとっては、たいした違いではないのだろうなぁ。世界は広い。
それは、ま、置いといて。
何だか今日は調子が悪そう。ジャンプが決まらない。

決まらないとちょっと辛い。
エレメンツで4点台が出てしまう。
それと、何となく気がついたんだけど、このふたり、ジャンプの軸の傾きが違うのね。脇から眺めると、右傾きと左傾き・・・。
明日もう一回確認してみよう。。。

サレー&ペルティエ。
『Come Rain or Come Shine』。ラブロマンスを演じさせたら、今や世界一の感がある。
89年のNHK杯だったか、あのときはまだ組んだばかりで元気一杯のスケートをしていたけれど、こんなに短期間で上がってくるとは!

ツイストリフト、降りたときジェイミーちゃんの両手は上げたまま。
普通、男性に抱きつく格好で勢いを止めるのに、これはスゴいんではないかしら。
SBSのソロスピン、頭を靴で蹴っちゃうんじゃないかと心配するくらい二人が近い(ほんとに怖い!)。
ミスといったら、ソロジャンプでジェイミーちゃんがオーバーターンしたくらい?

ペトロワ&ティホノフ。
世界チャンピオン、頑張れ!
思わずそんな風に応援してあげたくなるくらい、影が薄く感じてしまう。。。何でかなー。
なんとなく、今季のSPは地味なのだろうか。『Francesca da Rimini』。

マリアちゃん、髪を赤く染めて切ったのかな。可愛い。
そして、ティホノフさんの衣装は、いつも同じに見える。。。(違うんだけどさ^^;、なんか、デザインが、シンプルで)

第二グループは、雪ちゃん&宏博にいさんから。
シャープなデザインの黒の衣装、ところどころがシースルー。うん、下手に色を使わないほうがいい。
音楽は『Allegretto』、うわ、このSP、かっこいい!

終盤にスロウジャンプ、ツイストリフトと大技をもってくるあたりが流石。後部の女子高生さんたち、大歓声。
ペアスピンに関しては・・・批評はいくらでもあちこちでされてるから、敢えて言及は避けよう(こればっかりは贔屓のわたしでも。。。(^_^;)。 しかし、良いところを前面に押し出す構成は、悪くないはずだ。

ザゴルスカ&シュデク。
雪ちゃんたちのあとだと、ダイナミックさという点ではどうしても印象が薄くなってしまうかもしれない。
細かいミスがいくつか、だけど滑りはきちっとしている様。

ラストがこの組、というのもこれまたドラマティックか。
ベレズナヤ&シハルリジェ。
生で観るとよくわかる、このペアのスピード感と美しい流れ。
リフトのときなど、実はかなりのスピードで滑っているのに、TVじゃあまりわからないもの。

ベレズナヤちゃんの衣装、ワンショルダーなのだが、見た目だけでなく本当に肩が出ていて、透明なテープで吊ってあるだけなのね。肌色タイツよりずっときれいだけど、転倒を考えると・・・コワイ(^^;。


1 BEREZHNAYA & SIKHARULIDZE
2 SALE & PELLETIER
3 SHEN & ZHAO
・・・・・

納得の順位・・・だな。
サラちゃんたちとマリアちゃんたちが、意外な不調、だったけれど。今日の出来なら。
贅沢な出演陣なんだよね。やっぱりファイナルなんだ。


冷えてきたので、コーヒーを買いに行く。
整氷時間、お手洗いも売店も長蛇の列になるので、どちらかに的を絞ってすたすたと無駄なく突進せねばならない。
お手洗いは数が多いので進みは速いが、売店はそうもいかず。
けっこうギリギリだった。

さて。女子です。
何しろ、いきなり第一滑走がミシェル。
初めてなのだ、彼女を生で観るのは。

『エデンの東』、かつてEXで使っていた音楽。
するするする〜っと流れて、本当にきれいだ。なるほど、これがミシェルのスケートなのね。感じるのは“滑ることの幸せ”。
まるでタイプは違うけど、伊藤みどりちゃんみたいな、エキシビションの武史くんみたいな。

惜しむらくは、ジャンプがかなり低いこと。。。距離は出るんだけれど。
前後の流れも素晴らしくきれいなのに、あ、跳んだ、で終わってしまう雰囲気が。
その分、プログラムに溶けこんでいる、ということにもなるのだが・・・ジャンプだけが目立ってもね、とは思うのだけれど。
プログラムで魅せつつ、ジャンプを効果的に散らばせる。。。両立させるのは大変なことなんだな、と改めて感じる。

フリーレッグをおろしたレイバックスピンからは、山崎愛里彩ちゃんを連想した(何かそのイメージが強いのよ)。
終盤のサーペンタイン・スパイラル、これには観客も「待ってました!」とばかりに大きな拍手を贈っていた。

タチアナさん。
『リベルタンゴ』、衣装が昨シーズンの、青と黒のセクシーなものに戻ってた。うん、こっちのほうがかっこ良くて好き。
ついでに、髪もアップにすると、より音楽に合うと思う。
ジャンプに転倒があって残念。。。しかし彼女は、きっちりエッジを使い分けてジャンプしているのがよくわかる。

Kiss & Cry、ロマンくんがいるかな〜、と思ったら、いなかった。
さすがに、ファイナルまではついてこないか(^^;。
ミスが響いて得点は低め。

ソコロワちゃん。
赤と黒の衣装は、やはり『ドン・キホーテ』(ほんとに、何でこんなに流行ってるんだろう!?)。黒い手袋つき。
本番で手袋、って個人的にはあまり好きじゃないな。指先のニュアンスが伝わらなくて。

音楽表現、という観点からみたら、やはりまだ弱いかも。
ダブルアクセルは片手上げ。やるならもっとぴんっと伸ばして上げると、きれいなんだけどな。ちょっと中途半端。
ミシェルとタチアナ姉さんを観た後だけに。。。失敗はしたけれどもシャープさ・正確さという点ではタチアナさんのほうが上だと思う。
得点も辛目。これまた4点台が出る。

サラ・ヒューズ。話題のUS若手少女。
小柄かと思っていたら、実は意外に背が高くて驚いた。オフィシャルの数字は古くないか?
生で観るとますます可愛くって、この子は人気が出そうだわぁ。

昨シーズンから、彼女のエッジ使いには問題が・・・という話題をあちこちで目にしたので、何となく足元を注視してしまう。

うう〜ん。。。そう思って見るせいかな、やっぱりジャンプの前後で4分の1くらいごまかしてる風に見える。。。はっきり氷の上で回っちゃってるのもあったし(^^;。
これ、癖になってるとしたら、早く直したほうがいいんじゃないかな。意図的ってことは無いだろうし。
ジャッジによっては、厳しく減点される可能性もありそう。

マリア姉さま。
白の衣装で、音楽はお馴染み、女声スキャットの『Scene d'amour』。
3フリップで転倒。。。スピンなどはやはりきれい。
しかし本調子ではなさそうだなぁ。。。上手くいったときの、無邪気な笑顔が好きなんだけど。

演技終了後、ごくんと唾を飲み込んでスクリーンを見たが、思ったより点数は伸びていた。
5.3−5.4、5.7−5.8。
ミシェルに次いでこの時点で2位。

最終滑走、スルツカヤ。
このところ、彼女のクジ運すごく良くない? なんてつい語ってしまう。
いや、一番最後が良いか悪いかは別問題だけど。。。高得点を出す余裕をとっておかせる彼女が、何よりすごいのだろう。

オリエンタルな『Culture』。
このプログラムを観慣れてきたせいか、改めて構成に驚いた。
ジャンプがすっかり、前半にかたまってるんだ。

普通ならアンバランスと映っても仕方が無い構成だと思う、ところが後半グイグイひっぱるのよ、圧巻は対角線を片足で走るストレートラインステップ!
ビールマンスピンに入るとき、一瞬流れが途切れるのが気になったのだけど。
しかしこのスピンの衝撃度は、初めての人には余程強かろう。女子高生たちの黄色い「うわ〜!」は、この瞬間最高潮になった。

デニス・ビールマンのスピンを初めて観たときの記憶が、瞬間蘇った。


ところで、この女子高生集団に限らず、何となく今日の会場には、いつものディープなフィギュアファンとは全く違う客層が、けっこう多かったのではなかろうか。多分。
彼らの素直な驚嘆が却って新鮮で、改めて開眼、というシーンが多々あったのだ。

「忘れものを、取りに来ました」(by Totoro/何故か)。
そんな気がして、なんだか自分自身、嬉しかった。


5.6−5.8、5.7−5.9。
あ、計算しなくてもわかる。。。

1 SLUTSKAYA
2 KWAN
3 BUTYRSKAYA
・・・・・

そうだろうな、今日は。
ミスが無ければね、もう少し違ったかもしれないけど。。。いや、違わなかったのかな?
わからない。

1・2位と、3位の開きが余りに大きい、このファイナル方式はやっぱり好きになれないな。


以上で、今日のスケジュールはすべて終了。

ぞろぞろぞろ、と人波に混ざって出口を目指す。
本来、渋谷口と原宿口、ふたつ出入り口があるはずなのだが、こういうときは原宿口しかあけないらしい。

おまけに、下のロビーに行く階段も閉鎖されてしまい、結局一点に集中するしかないのだった。
これ、日本だから整然と、暴動も起きずに(^^;進行するんだよな、などと、思考を飛躍させたりして。
物販コーナーはまだ開いている。

外に出る、当然のように友人に会う。
そして教えられる、ひゃあ、セキメグムくんの後姿!(既に後姿、というあたりがなんかタイミング的に自分らしい気がして可笑しい^^;)
おっきいディパック背負って、すたすたと歩み去って行く姿。

夜の9時半。
何となく合流した5人でゴハン食べて帰ろう、と言いつつ、しかしこのへんに詳しい人間が誰一人いない(笑)。
うう〜ん、本来ならば、わたしが案内せねばならないのだろうが(一番近いから)、哀しいかな守備範囲ではないのですよ、ハラジュクとかオモサンとか。おまけに金曜の夜。どっこも、混んでるんだ、これが。


・・・なんだかんだで、無事ちゃんと食事はできました。
いろいろ楽しい話をしたのだけれど、そのへんは割愛。。。
店内には当然のようにスケート関係者がいたようなのだけど、そのへんもよくわからないので割愛。
お顔の広いSさんさすがです。Saさん、ワイン付き合ってもらってありがとうございました。Mさんmさん、無事お宿に着けて良かったです。


今日の全体の雰囲気を観て。
一度でも、代々木の氷で滑ったことの有る無し、というのは、やはり影響があるのだろうか。
リンク毎に氷の特質はあるだろう。どれくらい関係有るのかな。通年リンクとそうでないリンクでは、まず硬さが違いそう。

ちなみに聞くところによると、代々木の氷は何と言うか、ミシミシするんだそうだ。
元々は飛び込みプールだしね。
スクリーンの反対側、東側に大きな飛び込み台がふたつ、存在を誇示している。
あれって、プールに蓋して、その上に氷張って・・・。うわ、想像すると怖いかも(^^;。

中が空洞だから、ジャンプの着地音が派手に響くんだ、とも。

体育館の外側、或る一角の壁のあたりには、どかどかどかっと、まるで雪降ろしの後のように、溶け残った雪様のものが積み上げてある。
何だってこんなにここだけ雪が残ってるの???

はい。ぴんぽーん。そうです。
雪ではなくって、整氷車が削った氷屑。。。という話。
おまけに、太陽で自然消滅させてるのね(^^;。知らなかったリンクの裏側。

明日は午前中からフィギュアの日。
長丁場だ。カイロ持っていくかな。
というわけで、早めにおやすみなさい・・・(は、できなかったけどね^^;)。


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