−第70回 全日本フィギュアスケートジュニア選手権大会−
(01/11/23〜11/24/at Meiji-Jingu Ice Skate Rink)

ジュニア旋風も熾烈!


11/23

今季のジュニア勢は凄かった。あ、いや過去形で書いてはいけない。

Jr.グランプリシリーズでも軒並み表彰台の快挙。
US勢がほぼ全試合棄権という事情を考え合わせても、やはりスゴイことである。
(テロの影響で、USの選手は初戦参加のみ、後は棄権となった。彼らとの戦いを観てみたかったとつくづく思う)

私にとってはラッキーなことに、今季の全日本ジュニアの会場は都内・神宮。これは行くしかないでしょう!
昨シーズン、ノービスで観た子たちも、ジュニアに上がってきていることだし。

大江戸線の開通で、随分楽になった。何にせよ乗り換えナシで行けるのはありがたい。
地下鉄の出口を抜けると、目の前が神宮の競技場だ。
建物の入り口前で、振り付けのおさらいをしている子もいる。
ここらへんがちょっと、「全日本!」って感じ。

受付でチケット購入、2日間通しで2000円。滑走順はまだ出ていなかった。
というか、ちょうど今抽選してるんだよね^^;。

大阪での全日本(こちらはシニア)のチラシが置いてあったので、貰って眺める。噂どおり、なかなかシックな仕上がりだわ〜。
中央に武史くんと章枝ちゃん。二人のポーズと相俟って、なんだかバレエ公演のチラシみたい。背景の効果が、舞台と幕のようにも見えるのよ。これはヒットだ。うっふっふ〜♪


場内は寒い。お手洗いにて、背中にカイロをぺったん(笑)。
客席らしい客席はなく、リンクサイドにぐるりとベンチを一列並べて、後は立ち見だ。
ベンチは殆ど、関係者のものであろう、荷物がおいてある。
ショートサイドのベンチはまだ空いていたが、如何せん、目の前に丈の高いフェンスがある。いくら透明とはいえ、これは嫌だ。

とりあえず様子見がてら、ジャッジ側の端っこ、関係者席のすぐ間脇に立ってみる。
本当は、登山用の三脚椅子を持ってくるつもりだったのだが、キャンプに行くあにさんが持ってっちゃったのでねぇ…。致し方なし。
試合会場ではお馴染みさんの、友人・知人にご挨拶などしつつ。


ちゃんとファンファーレが鳴って、いよいよ競技開始。今日は女子からだ。
注目は俄然、今季JrGPシリーズを賑わせた5人の女の子たちに集まるのだが、彼女らは揃って後半のグループに入っている。
それまで、気になる女の子は他にいないかな? 参加人数は31人。このSPで、24人に絞られる。

第一グループで私の目を引いたのは、中学3年生の曽根美樹ちゃん。
背も高く(私より高い^^;)年齢よりもかなり大人っぽく見える彼女の選んだ音楽はアラビアン、プログラムによればフリーはフラメンコ。
ジャンプやスケート技術はまだまだ、っていうのは私でもわかる、でも目線と手の表情が決まるんだなあ。この選曲は大正解だ。順位は下位でも、この目の表現力は宝物。

前半グループを見ている間に、この位置。だんだん、観づらくなってきた。
事情を説明するには、神宮リンクの構造を詳述しないといけないので省くが(^^;、とにかく人の頭でどんどん死角が増えてきてしまったのだ。
ちょっとこれは、と思い、整氷中に移動する。ついでに受付に寄って滑走順を貰って。

ジャッジと対面側のロングサイド、やや中央からずれたところ。
目の前はベンチだが、こらちでは人は座っているので大丈夫。座っておられるのがコーチの皆さんだったり、というのが少々緊張するところではあるのだが(笑)。
よりかかった壁、窓の向こうは選手控え室。振り返らない振り返らない。でも、時々気になる^^;。

さて。淡々と、さくさくと競技は進む。
ただでさえ身体の成長期だしノービスからの出場組もいるし、同じ競技会に出ているのが不思議なくらい、年齢幅も雰囲気も、違う女の子たち。
ジュニアの採点って、ほんとに難しいと思う。

佐野緑ちゃん。独特の雰囲気があって好きな選手なのだが、ジャンプの不調が続いていて残念。
殆どポニーテールかお団子ヘアの中、ショートカットでスポーティ。この中ではすっかりお姉さんの部類だものね。

X JAPANの『tears』、スパイラルも凝ってるし、レイバックスピンは隙が無くて実にきれいだ。
あとはジャンプか……。勢いを取り戻してね。応援してるから。

第5グループ、太田由希奈ちゃん登場。実は初見。
白と黒の衣装で音楽は『POETA』。

さすが。空気が変わった。
手が、ピシッ。目線が、ビシッ。
ポーズが決まること決まること、プログラムに載ってる写真の素顔は実に可愛いのに、なんとコケティッシュになるのでしょう。メイクの為だけとは思えない。
スピードもあって、スケートに上手く“乗ってる”って感じだった。

気が抜けなくなってきます、鈴木明子ちゃん登場。
青い衣装で『Piano Concert NO1. E.minor op11』。

彼女も視線が決まるのよねぇ…。
踊りの上手さは昨シーズンシニアでもお披露目済み、スケートも伸びる伸びる。
艶然とした微笑を真正面から見ちゃったら、どうしていいかわかんないよ。

そしてすぐに安藤美姫ちゃん、この滑走順は、いったい。
真紅の衣装。(音楽は、プログラムのSPとFS、逆になってません? こっちが『Czardas』だと^^;)

美姫ちゃん、背が伸びたっ! 顔もさらに大人っぽくなって。
ジャンプは変わらずシャープ、ちょーっとスピードが無さ過ぎか? でもエレメンツを見事にこなして高得点。
去年に比べたら、ずいぶん踊れるようになってる。

ノービスBからの出場、最年少の浅田真央ちゃん。若干小学5年生。
一際ちっちゃいんですが、まぁ可愛らしいこと可愛らしいこと。
この子がリンクを駆け回って、しゅたっっとジャンプを決めるのだから、皆メロメロになっちゃいます(笑)。
昨シーズン新松戸で見たときと変わらぬスピード、コマみたいなジャンプ。大きくなったときが楽しみ。

最後から二番目に、中野友加里ちゃん登場。
彼女の“キリッ!”とした雰囲気が好きなんです(^^)。
紫の衣装で『Perhaps Love』。柔らかい音楽と振り付け。

ちょっとジャンプがよくなかった…かな?
プレゼンテーションは割と出ていた。

そして最終滑走、林一会ちゃん。
黒い衣装で赤いバラがアクセント、音楽は『LEYENDA』。
たおやかな顔立ちで、しかしプレゼンテーションに物凄く訴えかけるものがあるんですねぇ。
独特の雰囲気を持っている選手。美しいです。



SP結果。
パソコン部隊(過去の観戦記参照/笑)は今日もしっかりとお仕事をしていらっしゃる。(本当にお疲れ様です。殆どもう、オフィシャルの仕事と化してます……ね^^;)。
てて、と寄っていって、選手やコーチの皆さんに混じって結果を覗かせていただく。

1位:安藤美姫 2位:太田由希奈 3位:鈴木明子 4位:中野友加里 5位:林一会。
美姫ちゃんが1位だな、とは思っていたけど、あとは観てるだけじゃほんとにわからなかった。
6位には、ノービスから参加の澤田亜紀ちゃんが入った。これまたすごい。



閑話休題。
割と国内大会の場合、コーチや選手がついそこらへんをうろうろうろうろしてるのは当たり前の風景なのだが。
立って観ている私の隣に、Tシャツ姿の少女がすたすたと歩いてきて並んで観始めたのには、さすがに息を呑んだ。
だって……出番前の友加里ちゃんだったんですぅ〜! 心臓がばくばく。女の子相手に、何をドキドキしているんだか。

だ、だけどそんな、無造作に隣に立たれて。私、あなたのファンなんだからっ!!(^^;
その後、斜め前に座ってらした満知子先生と何事か話して、ふたりはどこかへ行きました。
あ〜〜ドキドキした(笑)。


整氷が入って、コンパルソリー・ダンス。
先日あった、JrGPシリーズ長野大会に出ていた兄妹カップル、坂頂みなみちゃんと達也くん。
ジュニアにダンスカップルがいてくれるのは嬉しいな。

CDは課題曲がふたつ、皆同じ音楽で決まったステップを踏む。
何組かいたら、また違いがわかって面白いのだろうが、一組でしたので…。
だけど、ちゃんと「滑走順」のアナウンスもあったし、競技前の練習時間も、それぞれにあったのだった。当然といえば当然のお話。

歳の近い兄妹とはいえ、達也くんは長身でスラリとしたスタイル(180センチ〜!)、みなみちゃんはきれいで笑顔が絶えず、なかなかに見栄えのするカップルだと思った。


そしてこのまま男子SPに入る。
目の前のベンチにいらした方が、どうやら女子が終わってお帰りになった模様…。
ラッキー、とばかりに座らせていただく(笑)。さすがに膝が疲れてきていた。

人数は女子より少なくて26人。(………てことは、ショートで落ちるのはたったふたり……厳しい)

上位が凌ぎを削りあっている女子と比べて、男子はちょっと寂しいかな。
もう少し全体に覇気があると嬉しいのだが。
でも、男子は選曲やプログラムで「えっ!?」っと思う楽しさがある(^^)。

第1グループの最後に出てきた織田信成くん、この子はしゃきしゃきしていていいぞ!!
果敢に挑戦、という雰囲気が嬉しい。全身で滑って、元気のいい男の子は好きなのだ。

その意味では、前川忠儀くんとか、中川雄介くんとか。技術はともかく(ごめんなさい^^;)、勢いはあった。
鳥居直史くん、拓史くん兄弟も、笑顔が可愛くてさわやか。ジャンプやスピンで失敗しちゃっていたけど…。

そうなのだ、男子。
キャメルスピンとか、規定の回転数を何とか必死に回ろうと、物凄いスローでふんばってたり。(これは微笑ましさと苦笑を同時に誘う…。しかしそりゃ音楽とずれちゃうよね^^;)
なんだかだんだん、「頑張れ男子!」という気分になっていった。
やっぱり男子シングルは好きなので。

ノービスからの小塚崇彦くん。
彼がまた一際小さく、しかし大真面目な顔つきでちょこちょこと速いステップを踏むので、縮小形って感じで可愛いのだ。
音楽は『剣の舞』、これは選曲の勝利。ジャンプでミスが出ていたっけ?

そして高橋大輔くん。
彼を観て「よっしゃ! 男子シングルはこうでなくちゃ!」思わず拳を握ってしまった。

ウォームアップでもレベルの差を見せつける。
ゆっくりとアップして、最後近くに3アクセル+3トゥ、決まった!!
かっこええ〜(^^)。

3アクセルからのコンビネーションを入れてきたのは、彼が初めてかな。殆ど3ルッツから2トゥ。
しかし本番で………。

ステップアウト。うー、惜しい。
おまけに、どこか脚を傷めた? 後半、ペースが落ちた。
フィニッシュ後、ちょっとふくらはぎを押さえて戻っていく。

『WEST SIDE STORY, LEONARD BERNSTEIN』。
赤いシャツに濃いグレーのパンツ、雰囲気ばっちりだっただけに、しっかり観たかった。残念。明日のフリー、大丈夫かな。
エレメンツは下がったが、さすがにプレゼンテーションは高い。

南里康晴くんが、3アクセル+2トゥを決めた!(結局この日、3アクセルを決めたのは彼だけ)(セカンドジャンプ、2トゥでしたよね?)
ジャンプ以外の要素はちょっと……………かな…。
これはプレイスがかなり荒れそうだわ…。

柴田嶺くんは、レイバックスピンを入れてきた。
彼はビールマンもするそうなので、フリーを楽しみにしよう。

佐々木亮輔くん、あ、この音楽は? と思ったら『Elcid』だった。はは…^^;
演技もまとめてきた、という感じ。

そういえば、ジュニアのSPって、ジャンプの種別指定もあるんだっけ?
ステップからの単独ジャンプ、全員ループだったと思う。


男子SP終了。
女子にも増して結果が想像できない!
またまたパソコン部隊のお世話になる(すみません…^^;)。

1位:佐々木亮輔 2位:高橋大輔 3位:中田誠人 4位:岸本一美 5位:柴田嶺 6位:南里康晴。
あとで細かい結果を見たら、やはりかなり荒れていた。難しいよなぁ……。



SPを通して思ったこと。
男女共に、スピンが弱い!

ジャンプはそこそこ跳ぶのに、スピンになると、どうして!? っていうくらい弱い子が多いんだ…。
男女共にシットスピン。ぶっちゃけた話「きたない」「隙があり過ぎ」と思った選手数知れず。

それから男子のキャメルスピン。女子のレイバックスピン。
ただ「回ってる」ではいかんと思うのですけどねぇ……。難しいかなー。
スピンで拍手、取れるようになって欲しい。(ゴメンよ、偉そうで……^^;)


帰りの電車の中で、プログラムをじっくり読む。
あ、梅谷英生くんの振り付け、大島淳さんにディビッド・リウ、ってなってる。明日ちょっと、注意して観てみよっと。

長野世界選手権の告知ページもあった。
しかし座席表……。
ジャッジ側にジャッジ席しか無いって(^_^;。いや、これ見る前から知ってはいましたが。

400メートルリンクの中に、フィギュアのリンクと仮設の客席。元々スピードリンクなんだからしょうがない、が、しかし。いわゆる「本来のスピードリンクの客席」を開放したりはしないのだろうか。しても、遠すぎるか……。
音響がどの程度になるかなぁ。

と、不安ばかり言ってても仕方が無い。
限られた条件の中で、最大限に楽しみ、また選手を歓迎するのがファンの役目というものでしょう^^。


という訳で、明日はフリー。
今日にも増して、人が多くなるかな。ちょっと早めに行くか〜。
んでも、明日は男子が先だから、悔しいけど頭からはそんなに居ないかもしれない。
ちょっと楽観的になりながら準備しなおし。

か〜な〜り、寒かったから!!
競技だけでも13時45分〜21時まで。“全日本”はジュニアでも長丁場なのだ。
(公式練習は朝7時から。これまで入れると、大変なことになります。シニアとなるともっと早いし^^;)
もうちょっと重装備で行くことにしましょう(笑)。


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