11/24

さて、二日目。
本日、競技は11時15分から。

少し早めに到着、受付には世界選手権のチラシも置いてあった。フルカラーで、紙もつるつる。
ロゴとシンボルマークを大きく中央にあしらい、全日本のと比べると、ファンにはちょっと物足りないデザインか(笑)。

滑走順をもらって、今日はまっすぐジャッジの対面側へ。昨日よりは中央寄りの位置に立つ。
山形から取材に来たという女の子と知り合いになり、話しながら競技開始を待つ。
そうだ、一般の人にも、もっともっとフイギュアに興味を持ってもらいたいよ〜。


オリジナルダンス。
リズムは、スパニッシュワルツとフラメンコ、ということで音楽は『Fandango for Elise, Bon Voyage』。
シニアとはルールがまた違うのかな?
彼らはこの後、フリーダンスもある。


男子フリー。
さぁ〜〜、元気に行こう!
転んでも、上手くいかなくても、途中で「あ〜あ」って投げ出したような風情は見せて欲しくないのだ。
最後までしゃっきりしておくれ。そう、フィニッシュのポーズもだよ!
(子どもには無理な相談だろうか? といっても高校生・中学生、なのだが)

逆に、転倒してしまいそうなギリギリのジャンプをぐぐっと持ちこたえて滑り続ける選手も居る。
その筆頭が、第2グループで登場した中川雄介くん、もちこたえるもちこたえる。
うぉ〜、こっちが力入っちゃうよ。頑張る頑張る。

それから、第3グループで滑った小林宏一くん。
ひとつふたつ転倒はあったと思うが、ぐぐっとジャンプを決めていって、演技途中でガッツポーズ。着氷の瞬間両拳を握って、屈み込み気味の、自分で「やった!」って感じの。
そんなの見たら、こっちまで嬉しくなっちゃうよ。

鳥居兄弟は今日も笑顔が可愛くさわやか(^o^)。

小塚くんは、随分と凝った衣装、小貴公子、って感じだ。
3連続ジャンプとか、両手を組んだままのジャンプとか、プログラムも凝っていた。
まだまだ振り付けと技をこなす、という雰囲気だけど。
ジャンプは成功したり失敗したり。(多分私の数え違いだと思うのだが…コンビネーションもしくはシークェンスを4回入れなかったかい? なんか、後からつけ足した、って風情のものが多かったので…。違うか。違うよな、いくらなんでも^^;)

そして、私的注目株・織田信成くん。
いや〜〜〜、いい! いいよ!!
とにかく挑戦的、攻撃的。ビシビシとジャンプを決めていって、全身で最後まで突っ走る。
荒削りなのはわかる、しかしその心意気や良し! であります。

前川くん、ジャンプもスピンも隙がまぁ多々あるのだが(ゴメン)、これまた全身で滑って好印象。
音楽も振り付けも個性的、プロに転向した森山直樹くんの後を継ぐか?(クラブ一緒でしたね)


さて、最終グループ。
ウォームアップからスピードが違うのは、ジュニアも一緒。
さらにジャンプ決めまくりで競ったら、シニアと同じ空気になるのだが。さすがにそれはまだできないらしい(たはは)。

トップは柴田くん。
ラフマニノフのピアノ協奏曲。
彼は割とフェミニンなところが持ち味なのだろう。上体をぐっと反らせたレイバック、そしてビールマンスピン。おお、これか! 日本男子で初めて観た(というより、Plshy 以外男子で観たの初めてかも)。

何だろう、後は手かなー。
振り付けが無い部分での手がどうしても“だらっ”。ランの最中もだらっ。
腕が長いので、余計に目立っちゃうんだろう。気になって気になって。もう少しきちっとなったら、随分印象が違うと思う。

男子で手先まで神経が行き届く選手は本当に少ない。やる気が無さそうに見えかねないから、絶対改善したほうがいいのだが。そこまで追いつかないのかなぁ…。これはシニアも同じ。うーん。

SP1位発進の亮輔くん。優勝へのチャンス!
……やっぱり緊張……したのかな。
やや攻め切れなかった感あり。まだちょっと線が細いかも。来年に期待。

一美くんはデスドロップが豪快。音楽は『ゲティスバーグ』、そして次の南里くんが、同じく『ゲティスバーグ』。
女子の『トゥーランドット』と並んで、男子の今季流行曲?

中田くんは白シャツに黒の細いリボン、音楽は『ラスト・オブ・モヒカン』、あ、亮輔くんと一緒。
けっこうきれいな感じにまとめていた。

そして、最終滑走、高橋大輔くん。
滑走順も劇的だったが、演技はそれ以上に劇的。

ちょっと格が違う……かも。
出だしの3アクセルは転倒。中盤で再挑戦してやはり転倒。ジャンプのミスは確かにそうなのだが、それを補って余りあるプレゼンテーション。
スケーティングも段違いにきれいで。プラス、スピードと気迫。それから?

いやー、凄い。凄かった。
かっこいい。
かっこいいよ。優勝は、彼だろう。彼じゃなきゃいけない、今日は。

得点が出る。
安定したテクニカル、高いプレゼンテーションは、彼が順位をひっくり返したことを物語っている。

おめでとう。
次は、ジュニアファイナルかな。

骨太で男っぽい、彼の魅力はこの近さでいっそう際立って感じられた。

もちろん、課題はまだまだあるけれど。
シニアに混じったらどこまでいくか、観てみたい。

1位:高橋大輔 2位:佐々木亮輔 3位:中田誠人 4位:織田信成 5位:岸本一美 6位:柴田嶺 〜

あ、織田くん4位に上がった。フリーだけなら3位だ。おおー。


整氷中に友人と合流。
だんだん人も増えてきた。通路に立っているようなものなので、移動も難しくなってきそう。

フリーダンス。
一日ふたつ、っていうのはなかなか大変だと思う。良く頑張っていた。
アナウンスで「テーマは、ジプシーです」。あら。
ちゃんと説明されるんだ。

『ツィゴイネルワイゼン』。
この子たちも、来季あたりはシニアに上がるんだろうか。
頑張って欲しいです。


女子フリー。
ウォーミングアップから、ぱぁっとリンクが華やかになる。
女の子の衣装は可愛いなぁ(^^)。色とりどり。

「○○ちゃんがんばって〜〜〜!!」の声もどんどん増える。
「がんばれ!」「がんばれ!」これこれ、音楽にかかっちゃうよ(^_^;。
ジャンプが決まると「キャァアアアア〜!!」
文字通り、黄色い声。
子どもたちの大会は、こういうのも楽しい。

阿部友里恵ちゃんが、足替えのビールマンをやっていた。そういえば昨日もやってた。
やっぱり両方の足、というのは高度なんだろうな。利き足とか、あるもんね。

山口幸恵ちゃんのスケーティングがきれいだ、と言うので注意して見ていたら、本当にきれいだった。
近くまで滑って来ても、音があんまりしないのです。つるつるつるって、氷の上をエッジが滑っていっていた。(いや、スケートってそういうものなんですが、滑りの雰囲気的に)

武田奈也ちゃん、昨日は紫の衣装で年齢の割に随分大人っぽかったのに、今日はめちゃくちゃキュート路線。いろんな引出しがあるって、強い。
衣装も、黒地にぱっきりしたオレンジや黄色のアクセントで、可愛らしいの。

今大会のアイドル(?)浅田真央ちゃん。一部で“親指姫”との愛称が既についている^^。
今日も変わらず小さい身体でリンクを駆け巡り、しゅぱぱっとキレのあるジャンプ。音楽にしっかり乗ってるんだもんなぁ。

3ループ+3ループを狙ってセカンドでパンク、その瞬間、空中で「あっ!!」っていう顔を思いっきりしてたのが、歳相応と言うかなんと言うか、そんなところもとんでもなく可愛い。
そして当たり前のようにビールマンスピン〜。
フィニッシュで手の平をしゃらしゃらしゃらしゃらって振りながら回すのだが、そのしぐさをスケート連盟の大変お偉いお方が真似しておられた……(^o^)。

真央ちゃんの次に佐野緑ちゃん、これってホントに同一の競技会ですか(汗)。
今日は迷彩カラーのスカート、肌色生地を使った大人っぽいデザインのドレス。
音楽は『レジェンド・オブ・ザ・フォール』そして『ふるさと』。

この『ふるさと』の部分が、私、すごく好きでねぇ…。(00-01・DOSC杯参照^^;) そこはかとない切なさが心に染みる。
長いスピンコンビネーションが入るのだが、これがとてもきれいなの。
ここまで隙の無いレイバックはなかなかお目にかかれないし(大抵フリーレッグがふにゃん、と曲がってる)ポジション変えもさらり。自然と拍手が起きていた。
ジャンプがボロボロだったので、余計切なくなってしまった……。

そして。最終グループ。

再びウォームアップから空気が変わります。
どこを見たらいいのだろう、まだまだホントに“少女”って雰囲気の女の子たちばかりなのが、余計にね…。
気が付くと、ギャラリーが更に増えている。
なにやら背後に気配を感じれば、控え室になっているガラス窓にも、ぴっしりギャラリー。(関係各位のお子様たちですね^^; 選手だったりそうでなかったり)

先陣を切るのは、SPトップの安藤美姫ちゃん。
黒いシンプルなノースリーブドレスで『Swan Lake』。
観客の注目が集まるのは、今日も炸裂するか、ルッツ−ループのトリプルコンビネーション。

「ひぁ!!」
悲鳴のような、溜息のような。
3ルッツ転倒。あー。

流れるジャンプは「質がいい」(by 伊藤みどりちゃん風)。しかし時には失敗する。
後半、もう一度3ルッツからループを試み、パンク。単独ジャンプもシングルで終わったのがあったと思う。
こんなにジャンプ失敗する美姫ちゃん、多分初めてなんじゃないだろうか。目の前で観るのは2回目だけど、今季の成績をずっと振り返るに。


澤田亜紀ちゃん。“第6の少女”は更に幼〜〜い雰囲気の女の子。だけど音楽は『バタフライ・ラヴァーズ』。
さすがにこの5人に混じると、とちらっと思っていたけど、物怖じせず、自分の滑りができたか…な?
いくつかジャンプ失敗はしてしまいましたが。


3番目は鈴木明子ちゃん。
明子ちゃんの衣装は、いつも素敵だと思う…。薄紫からグラデーションで、裾が薄いグリーン。
『Romeo and Juliet』。

「凛々しいジュリエット」と表現したい。その目の強さは持って生まれた資質だろうか。
真正面から射抜かれてみたいとか(←危ないおねーさんだよ、それ^^;)。

けれど、それでもカバーし切れないほど、ジャンプミスの連続。
観ているこっちが辛くなる……。でも、一番辛いのは本人。
悔しいのも本人。


中野友加里ちゃんは、物凄い気迫を漲らせて登場。
まるで氷を纏っているよう。剃刀のような雰囲気だ。

衣装は薄いピンクに金の飾り、『Carnival Overthere』。
今季は意識して振り付けに柔らかさを取り入れたのだな、と思う。そうやって滑りながらも、ほとばしる闘志と根性と緊張感。
後半で果敢にトリプルジャンプを試みていたのは、前半の失敗を取り返そうとしてだろう。

脚が膝に絡みつく独特のジャンプスタイル。その視覚効果もあるのか、回転は速いし着氷も鋭い。この形は、賛否両論分かれるところだろうが。
最後までスピードが落ちなかった。迫力も、薄れなかった。ミスした後はガタっとスピードが落ちる選手が殆どなのに。
だけど、やはり失敗は失敗なのだ。フィニッシュ後、物凄く悔しそうな顔で戻っていった―――。


だんだんこちらも平静でいられなくなる。こんな形での大混戦とは。
5番目に登場は、林一会ちゃん。

薄いピンクと濃いピンクの衣装。『Legends of the Fall』。
彼女は本当に独特の世界を持っている…。これこそ“表現力”と称するものだろう。

顔の位置がピタッと決まって、それがまた彼女にしか作れない雰囲気を作り出す。
きっと、映像より生で観たほうが断然引き込まれるタイプではないかと思う(もちろん殆どの選手は生のほうが良いはずですが、特に、と強調したいほど)。

だがしかし、やはりジャンプは転んでしまった……。
スケーティングは、とてもきれいなのだけれど。やはり転んでしまうと…途切れる。


最終滑走、SP2位につけた太田由希奈ちゃん。
まったくなんという滑走順か。男子にも増してドラマティックな。

青紫と黒の大人っぽい衣装で、音楽は『トゥーランドット』から。
息を詰めて見守ってしまうが―――。
どうしてか。やはり、ジャンプをふたつばかり失敗。
心なしか、ポーズも目線も、昨日よりは弱いような………。



あ―――――――――――――――。脱力。
これが「全日本」ですか。やっぱり。
ジュニアでも。「全日本」は「全日本」。

表示される点数を見れば、自ずと順位は想像がつくのだけれど。
それにしたって、本当に。
なんとシビアな場であることか。

昨日、私「滑走順は関係なさそう」と言っていたのだけれど。
思いきり、あったみたいです…。

第一滑走の美姫ちゃんがつまづいて。
さぁ、誰がひっくり返してもおかしくない! となったら。みんな揃って、ひっくり返ってしまった。
世界の舞台で、表彰台に乗っている子たちなのに、全日本は独特なんだろう、やはり。

でも、この実力伯仲の環境は、互いに刺激しあって伸びていける、ある意味とても「良い状態」なのだとも言える。
文字通り、切磋琢磨。
ここから誰が飛び出すのか、まだ全然わからない。


1位:安藤美姫 2位:中野友加里 3位:太田由希奈 4位:林一会 5位:鈴木明子 6位:浅田真央。

何気に真央ちゃん、6位に上がってるし!
そしてこのうち4人は、ジュニアファイナルに出場が決定している。
凄い時代が来たものです。

後ろは振り返れない。ガラス窓の向こうは選手控え室。あまりにあからさまに、日向と日陰を見ているようで。
ジュニアとはいえ厳しい世界だ、と言ったら、後で「この歳の子どもだからこそ、感情を剥き出しにできるんです」とおっしゃった方がいらした。
確かに―――――――。

純粋で、ある意味とても羨ましい光景が、展開されていた。本人たちにとっては、決して羨まれることではないはず、と思うのだけれど。


追記/閑話休題。
整氷中など、どうしてもどこかで見たことがある、というより凄く良く知ってると思うんだけど、という男性とすれ違ったりしていたのだが……。
見たことある筈だってば。TBSの解説でお馴染みの、小川勝さんでした(^^;。
今日は、ジャッジをなさっておられた。失礼致しました……。


整氷の後、優勝者によるエキシビション。
いいなぁ、これ。シニアでもやってくれないものか。

まずは男子優勝、高橋大輔くん。
袖に少しキラキラのついた白のシャツに黒のパンツ、とフリーの衣装で、プログラムもフリーの前半部分。

3アクセルに三たびトライ! あ――。失敗。うーん。でもその姿勢が好きだ。
一度礼をして引っ込んだのに、「お疲れのところすみませんが、もう〜〜〜少し滑ってもらえませんか?」のアナウンスが入る(^_^;。

ちょっと困ったような顔をして再登場、中央でスピンを披露。
お疲れさまでした!

続いてアイスダンス優勝、坂頂兄妹カップル。
オリジナルダンスを、フルで滑ってくれました。
そしてここでもアナウンスにてアンコールの催促、リフト部分をもう一度。
再三言いますが、きれいで見栄えのするカップルです。将来期待。

最後は女子優勝、安藤美姫ちゃん。
衣装はフリーのものだけど、立ち位置とポーズが違う〜。
なんと、EXナンバーを用意してくれてました。
おまけに、流れてきた音楽が Doop のだったんで、危うくひっくり返るところだった(たはは)。曲は違うところ使ってましたが。

ただ、これはちょっと、私的には…。ただ滑っては跳んでるだけっぽかったので、どうせならSPとかやってくれると嬉しかった――。なんて、ちょっと望みすぎよね。
EXってのもホント難しいものだから。その真髄は、も少し大人になってからでいいよ。

そして、ここでもアナウンスにてアンコール。
美姫ちゃん、一応ルッツ−ループのコースで助走に入ったんですが、ああ〜、もう力が入らない。
「疲れちゃってダメだよ〜」って表情で、苦笑しながらスピンに入って、フィニッシュ。


この後、表彰式に入るのだが、ここらへんでタイムリミット。
競技場を後にしたのだった。

上位何人かは、全日本シニアにも出場するはず。
とはいえ、その一週間前がファイナルで。非常に、キツイ、と思うが……。

新しい、若い、芽。
来年は、どんな葉っぱが出て、どんな花が咲くのだろう。
今から、本当に楽しみになった。

ついうっかりリンク内モードのまま外に出たら、かなり、暑かった。


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