南側(ジャッジ側)のリンクサイドは、東に近いほうは招待者席、Kiss & Cry に近いほうは関係者席となっていた。
それこそ、目の前に選手だのコーチだのが入れ替わり立ち代り現れては消えていく。時にはじっと座って観ていたりする。

ペアかダンスのときだったか、美栄ちゃんがトレーニングウエア姿でやってきて、コーチに髪飾りを直してもらっていた。
近くで見る美栄ちゃんは、もう〜すんご〜〜く可愛い〜♪
氷上の緊張感漂う姿とは少々違う、きゅっと笑うその笑顔がまた可愛い。
外国人からは絶対かなり幼く見えてるだろうなぁ。

女子ショートへの期待感が高まるざわめきの中、今度は武史くんが現れた。
わ、武しゃんだぁ〜(^^)と密かにほころんでいたら、いきなり近くの席の女の子たちが「本田く〜ん♪」と声をかける(若いって強い^_^;)。
席につこうとしていた武史くん、くるりと振り返って、笑顔で手を振る。

こ、これは思わぬフェイント!
つれらて一緒に手を振ってしまった(あんたは^^;)。ただし膝のあたりで小さく(爆)。見えちゃいないよ(^^;。
機嫌は良さそうで安心する。まだフリーも残ってるし、一瞬「ひぇっ」と思ったんだけどね。ほっ。

さらに彼は、おじいちゃんおばあちゃんを見つけて、そちらに向かっても手を振っていた(たぶん)。
こういうシーンは、目にすると本当に嬉しくなる(^^)。

リンク際に華やかな気配を感じる。女子選手たちが集まっていた。
こちらも男子に負けずに豪華な面々。マリア、イリーナ、陳露。
そして、ひときわ小さいその人がいた。

みどりちゃん!!

美栄ちゃんと何やら談笑している様子。
うわあぁ、みどりちゃんだよぅ。そこにいるだけでなんだかドキドキする。
何を隠そう、競技会で生で観るのは初めてなのだ。
薄水色の衣装で、あ、マリアさまとかぶってるかも(笑)。いいのだ、みどりちゃんなら。
こんなに小さい彼女が、氷上では何故あんなに大きいのだろう。

ウォーミングアップが始まる。
山田コーチも今日は二人分見るのね。
しかし元気に飛び出した美栄ちゃんに比べてみどりちゃんは。

なんでそんな顔してるの!?
びっりするぐらい、心細そうな表情。何年も感じていない競技会の緊張。
それを急に思い出したみたいに。

お願い、貴女を押し潰そうなんてものは、もう何処にも無いんだから!
リンクは貴女の一番の“居場所”だったはず。
笑って!

コーチと二言三言かわす。
そして、滑り出していった。
どうしても目で追ってしまうのは彼女。小さな身体が、氷の上を滑る。宙を舞う。
全盛期の勢いは無いんだろう、でもやっぱり貴女はこの場が一番似合うよ!


第一滑走、マリア・ブティルスカヤ。女声でスキャット風にメロディーを紡ぐおなじみのSP。
やや固くなっていたのか、ジャンプで転倒・・・。
しかし、このプログラムは彼女のやわらかな一面が現れているようで、なかなか好きなのだわ。

懐かしい露ねぇさん!
アマチュア時代よりも上半身ががっしりした感じ? も少し華奢なイメージがあったので、ちょっと驚いた。
さすがに「観せる」ことを知っている。笑顔が魅力的。彼女の場合はジャンプはどうでもいいわ、と思ってしまう。
しかしその衣装はちょっと・・・いただけないかも(トレーニングウエアを羽織っているのだと思ってました・・・本番用だったのか^^;)。

そして、3番目に登場、我等が伊藤みどりちゃん。
表情は少し和らぎましたか?
縮らせて纏めた髪、笑顔で氷上に出ていく。

スタートのポーズをとる、会場が固唾を飲む。

ガムラン音楽のような、打楽器と笛の音。
淡々としたメロディー、ずっと一定に刻まれるリズム。
難しい曲を・・・選んだなぁ・・・。
ついこの間、バリ島で同じ音を聴いてきたわ。神様と語るような、アジア独特の雰囲気。

ガッ、とトゥをつく音が聞こえ、コンビネーションが2−1になった。
ん〜、練習では3ルッツから決めてたのに。彼女のよく言う『本番で』が頭をよぎる。

しかしこの初ジャンプで逆にほぐれたのか、次の3トゥは実にきれい!
ふわ〜っと舞いあがって、ふわ〜っと降りてくる。まるで体重を感じさせない。
近くで見ていても、きっと音なんてほとんど聞こえなかったんじゃないかな。
これが本来のみどりちゃんのジャンプ、先のコンビは相当緊張していたのね。

2アクセルも高い! 膝上にからみつくフリーレッグが懐かしい(最近は中野友加里ちゃんが似たような跳び方で、いつもみどりちゃんを思い出してた)。
これだけの高さと距離を飛べる人は、今の現役女子選手の中には誰もいないだろう。これは真面目な話。
それほど彼女のジャンプは質が高い。格が違う。

深く沈み込み、上半身をぴったり足につけたシットスピン、そこからのコンビネーション、本当にきれいだ。
無駄が無くなった、というのか。
現役の頃は、こんなにジャンプ以外の部分に目がいかなかったな。それほどジャンプが凄かったとも言えるのだけど。

淡々としたメロディーはそのまま、静かにフィニッシュ。
しばらく静止した後、はにかんだような困ったような笑顔でポーズを解く。
うまく跳べなかったのが残念なの? いや、きっとそれだけじゃないね。

大きな拍手が会場を包む。
得点は・・・・・・久々に出される彼女への技術点は、かつての「伊藤みどり」に比べれば遥かに低かった。
でも、数字には表せない価値が、今日の彼女のスケートにはある。心底そう思った。

みどりちゃんの次が、恩田美栄ちゃんだった。
目の前で大先輩の演技を観て、彼女は何を思っているのか。

そして、彼女も素晴らしかった!
溌剌と、勢いのあるジャンプ、波に乗るスピード。
昨シーズンの世界選手権のようだ。
何とノーミス! はじける笑顔、ガッツポーズ。この辺もみどりちゃんゆずりか(^^)。

みどりちゃんは、美栄ちゃんを送り出したままじっとリンク際に立って見守っている。
喜び一杯で戻ってきた後輩を迎え、ようやく Kiss & Cry に揃って並んで座った。
肩を寄せ合って得点を待つ姿がスクリーンに映し出される。それを見てなんだか鼻の奥がつんとしたのは、わたしだけではないはずだ。

ラストはイリーナ・スルツカヤ。
こんな日本人の涙腺を刺激するシーンの後で、見事な演技。
ひとつ、ジャンプがすっぽ抜けた? いやでもこれは彼女がトップでしょう。

確信を持って、椅子から立ちあがる。
場内はこれからショー・タイム。松田聖子ちゃんが「テーマソング」を歌う時間。

ライヴの松田聖子、というのも二度とお目にかかる機会が無いだろうとは思うが、しかしこの時間を逃すと飲まず食わずでフリーに臨まねばならない。
申し訳無いが今日のわたしに聖子ちゃんは、やはり二の次、三の次。

特設ステージがつくられ、照明を落としたリンクを出て、ロビーにおりる。
通路では係員のおにいちゃんが「せいこちゃーん!」と叫んでいた(^^;。お疲れさまです。


ありがたいことに、喫茶コーナーも比較的すいていた。それでもけっこう人はいるんだけど。
軽〜く、軽食と何か飲み物を。ドリンクメニューに目を走らせると、飛び込んで来たのが「ホットワイン」の文字(笑)。

ヴァン・ショー、赤なら記憶にあるけど白っていうのは初めてだ。
これはやっぱり、ねぇ。あったまるし(笑)。

Nちゃんとふたりで頼んでみる。K子さんはホットコーヒー(偉いです^^;)。
プラカップで出されたそれは、はい、なるほど・・・白のホットワインでした(だからそうなんだってば/笑)。

酔っ払いはしないけど、しかし神経がゆるんで眠気が来たら困るな、やっぱり普通のコーヒーも、と思って見ると、いつのまにかショータイムが終わってしまったのか、長蛇の列が出来ていた。
これに並び直すのは勘弁だわ。仕方ない、また後にしよう。。。

リンクに戻ると整氷中だった。
聞けば歌ったのは一曲だけで、その後東女体シンクロチームの演技があったらしい。
しまった、それは観たかった。
このチームは年々すごくなっていくようで、全日本も観られなかったのが残念だったのに(T_T)。
後刻、競技用のヘアスタイルと化粧のまま観戦している選手の皆さんを、あちらこちらで散見しました。


さて! これからはインタープリティブ・フリー。
演技時間も違うし、ジャンプの数も制限されているので、どんな風にプログラムをつくってくるのか、とても楽しみだ。
わくわくしながら座席につく。と、おや? 放送席が。

いつのまにか、荻原次晴くんと優香ちゃんが立っている。やっと来たのね「司会」のおふたかた。
そして八木沼純子ちゃんと塩原アナも隣に立ち、何やら実況を始めた様子。
んだけどじゅんじゅん!

コートを脱ぐと、その下はホルターネックの肩出しドレス!
さ〜む〜そ〜う〜だ〜〜〜!!

な、何もそんな格好で実況せんでもよかろうに(^^;。よく見れば優香ちゃんも短い半袖のドレスではないの。
次晴くんと塩原アナは、蝶ネクタイの正装スーツ。お正月の続きだから?
そういえばジャッジの皆さんも蝶タイスーツだった。いっそ羽織袴だったら面白かったのに(これヾ(^^;)。

リンクをバックに一通りお喋りが済むと、席につく。優香ちゃんはストールのようなものを羽織り、じゅんじゅんもコートを着込んだ。あ〜、良かった(笑)。いくらなんでもあれでは。風邪ひく。
(そか、じゅんじゅんは選手だったし今も滑ってるから、コスチュームと思えば数分くらいだいじょぶか・・・って違うよ〜)

おっと、まずはアイスダンスから!

B&Kがまたまた第一滑走。
シェイリーンの赤いドレス、クラーツ兄さんの黒いサスペンダー付きパンツ。よく似合ってる。
このカップルは、いつも楽しそうに滑るから好き。
エキシビ用なのかしら、軽やかなダンスっぽいダンス(言いまわしが^^;)。

F&M、バーバラさんが背中のぐわっと開いたセクシーなドレス、マウリさんも黒のスーツ。
こういう衣装なら音楽は決まりだわ、予測たがわずタンゴ。これまた懐かしささえ覚える正統派アイスダンスという感じ。
手すりにもたれ、お互い背中を向けた状態から始まるお洒落な構成(よく目にするといえばよく目にする形でもあるが)。

D&V。
薄水色の衣装でNHK杯のEXと同じプログラム。
確かストーリーがあって、N杯では長々と説明のアナウンスがあったんだった。しかし殆ど忘れてしまっている自分が申し訳無い(--;。ごめんね。
途中、ペタッと氷上に背中をつけて寝てしまうリフトがあり(説明が難しい)、やはり歓声が上がっていた。

しかし、総じてダンスはIFもいまひとつ散漫な感じが否めない。
わたしダンスも好きだから、真剣に観てたんだけど。。。
ぐぐっとハートを掴まれる、そんな感じはどの組からも感じられなかった。Open だから、かな、やっぱり。
これはわたし個人の感慨なんで、ファンの方、ごめんなさいです。
遠くから来て演技してくれた、選手の方々には心から感謝。

続いてペア。
ダンスもそうだが、こういったカップル競技はウォーミングアップでもそれぞれ個性が見えて面白い。
一人ずつ離れてそれぞれアップしている組、ずっと二人寄り添って練習している組。
けっこう顕著に違うんだよ。そして離れていた二人がどんなタイミングでまた一緒になるのかも。

第一滑走は悠子ちゃんたち。
春のEXと同じ「ユーモレスク」だが、中身が随分また濃くなった! ジュニアファイナル3位は伊達じゃない。
“仲の良い兄妹”それとも“幼馴染み”、そんな雰囲気は変わらない。
そして見せ場の次々と体勢を変えるリフト、最後はV字(I字?)バランス風。悠子ちゃん、ほんと柔らかいよ。
だけどちょーっとそういうシーンが多過ぎたかな〜。うん、でもこのメンバーの中で、よく健闘したね。

イナ&ジマーマン、しっとりしたプログラム。昨シーズンよりまた息が合ってきたかしら。
しかしジョンくん、その投げ方は相変わらず・・・(^^;。
スロウジャンプ、あえて投げ終わった男性のほうを見ていると、そのセンスの一端が伺えるような。なかなかきれいな人っていません。。。
キョウコちゃんは観るたびに上手になってるような気がする。

サラ&ステファン、ウォームアップのときも上着を脱がなかった。
だからひょっとして・・・と思ってたんだけど。やっぱり。
昨シーズン Wolrd のEXでも観せた「ゾロ」。これを持ってきたかぁ。

ステファン、途中でマントや帽子を脱いだ後、アリーナのお客に預けていた(笑)。
「すんませんねぇ、ちょっと持っててもらえます? すんません」みたいな(その通り台詞をつけたら笑われた^^;)。
終わった後、一旦引っ込みかけて改めて返してもらいに行ってたのがまた笑えた。忘れとったんかい! てな感じで。いや、忘れてるはずはないわな。あれも演出かしら。

ラスト滑走がエレナ&アントン。
どちらも鮮やかな青の衣装だが、アントンのシャツの裾が外に出ていて、おまけにお腹のあたりがひらひら見えるぅ〜。
「アントン、だらしない! だめ!(笑)」とウォームアップ中から突っ込んでしまった。
ほんとはお腹ではなく、ネクタイを隠していたのだった。

やはりこの組の滑りはきれいだ。一味違う。
だけど、ちょっと雰囲気的に合ってない気がする〜。
清楚な雰囲気のベレズナヤちゃんに、はすっぱなイメージのプログラムは無理がある。
できれば今季の「チャップリン」が観たかったなぁ(ストーリーをきちんと踏まえたつくりのあのプログラムは、IF用に縮めることはできないのかもしれない)。

ペア終了。
しかし、どーして順位を発表してくれないのだろう!?
つくづく、ストレス溜まるよぅ。
整氷中に、コーヒーを買いに走る。次は、男子だからね!


6分間のウォーミングアップ、やっぱり迫力が違う。
どこ見たらいいのか、ってくらいつくづく豪華。
ならば見るのは一点(笑)。

放送席ではまた立って実況、手前でスタッフが大きなスケッチブックを掲げているのは、あれはアンチョコかい?(今はアンチョコとは言わんのか/苦笑)
台詞かそれとも選手の名か、まぁそんなものではないかと想像したのだけど(実際は知らないよ^^;)。番組制作もタイヘンだ。
どうやら、ウォーミングアップのときにはリンクをバックに何か喋る、という構成のようです。

N杯時のUSの放送ブースを思い出した。さすがにあれほどオーバーアクションではない(笑)。

第一滑走、ウルさま。
きらきらしたコートのようなものを羽織って登場、プログラムは「プリンス・オブ・エジプト」。
音楽が始まって間もなくコートを脱ぐと、なんと上半身ヌード! な訳は無くて、肌色の衣装です。首の周りに、例によってファラオのような飾り布。エジプトと言えば・・・だね。

アマチュア時代のこれでもかという二枚目王子様(実によく似合ってた)な振り付けは影を潜め、ショーアップされた演技をするようになった。
ジャンプのミスもあり、しかしわたしは彼を見られただけで嬉しいよ。
得点は低め、これは仕方ないだろうなぁ。。。

続いてトッド、トッドといえば黒のタートルネックというイメージがわたしにはあるのだが、今回もそうだった。
ラメ入りできらきら。

ファーストジャンプは3アクセルか、お見事!
逆回りな彼の技は、一瞬「あれっ?」って感じがあって、ちょっと面白い(失礼^^;)。
コンビネーションで転倒、しかしスピンは魅せる。高速感は、現役選手ならエルヴィスかトッドか、という感じ。
(過去も交えて史上最高ならスコット・ハミルトン〜♪)
テクニックは抑え目、しかしプレゼンはけっこう点が出ていた。

そして! 3番滑走は武史くん。

ウォーミングアップ中に滑走順がアナウンスされるのだが、ほんとにドキドキして聞いていた。まさかまた最初か!? なんて。笑い事じゃないのよう。
しかし今日はそんなことはなかったようで(はは)。

「アランフェス協奏曲」を、IF用に作り変えたという。
この世界は、フリーの4分半で完全な形だと感じているので、実際Openでこれをやると聞いたときには「えぇっ!? あれは切れないでしょう??」と思ったものだった。
“怒り”の感情も表したい、と言っていた今日のIF。果たして、どんな風に紡がれるのか。

切ないギターの音色、この数秒だけでリンクの空気が変わる。
指先から、目線から、ひとつの世界がつくり出される。

すうっとスピードが上がって3アクセル! う、こらえたか、片足をついたか。
そのまま滑り繋ぎ、頭の中では一緒に音楽が鳴っている。それから・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・ああ?

一気に中盤に飛んだ。
そ、そっか、こう繋げたのか。必死に頭を切り替える。
3ループ、ランディング後の脚と手の行方が自然で美しい。「跳んで、降りました、はい次」じゃあないのね。実にきれいに流れる。
曲調が変わり、両足でたゆたうところ、このシーンから一連の間合いが好きだ。

しかしIF用に変えた今日のプログラム、頭にインプットされている流れと音楽と眼前の演技が合わない部分があり、少しだけずれた感覚で見つめる。
イーグルからのアクセル、これも少しタイミングが早目。3アクセルを続けるんか!? と思ったら2アクセルだった。3回転以上のジャンプは回数制限があるから、ダブルに抑えたのね。しかし身体が3アクセルに向かったのか、ランディングのタイミングが少しおかしかったみたいだ。

そしてサパテアードのようなストレートラインステップ、これは完全に音楽より早い!
難しいところだよおぉ(演技が、ではなく観ている側の心が)。

しかしその後、全身をぶつけるような感情の表し方には、こちらの顔まで歪んでしまった。
そうか、こういうことなのか。
しめつけられるような痛さ。怒りと悲しみ。

その思いのまま氷上を走って3トゥ、本来は3ルッツのシーン(これはその場では気付かなかった。ま、当然^^;)。
そして片足で流れるようなステップから3フリップ。
着地、すーーっと氷に流れた。

ラストのイーグルには、涌き水が染み出すような拍手。
かつて「これだけで6.0をあげちゃうわ」とのたまったのはRさん。わたくしも同じ心境です。

再び、日の丸を振る真似。
やっぱりアランフェスは4分半での完結、という思いと、これはこれで新たな切り口の発見! という思いと、双方綯い交ぜ。

激情、とでも言うか。
静かに抑えた中から振り絞るような4分半のFS、対してストレートな若者の戸惑いと怒りと悲しみが伝わってきた今日のIF。
どちらも、武史くんのつくる「アランフェス」の世界なんだ。。。

やっぱり貴方、大したもんだよ。タダモノじゃない。
アリーナで花束やプレゼントをひとつひとつ受け取っている、その間に得点が出る。
うう〜ん、トッドとどっちが上? プレゼン、5.9もあるが5.6がみっつ・・・これは、ちょっと・・・???

順位も得点も気にしない、というつもりできたOpenだが、やはりちょっとは気になるのよね(笑)。
つくづく、順位が出ないのが恨めしい。なんだって最近、こうなんだ?
山のようなプレゼントや花束に埋もれて武史くんが帰ってくる。

続いての滑走は、ヤグディン。
彼は短剣を持っている。演ずるはやはり今季のフリー「グラディエーター」のようだが、IF用の小道具かしら。
ウォーミングアップ直前、こちら側を振り向いてそれを客席めがけて投げるしぐさをして、湧かせていた。ヤグくんたらお茶目。ほんとに投げたら、戻ってこないわよ(笑)。

そしてそのフリーは。
「力強い!」以外の形容詞がみつからない。凄い。
最初から最後まで、短剣を両手に持ったまま(ひょっとしたら手にくっついてた?)。
とにかく上半身の運動量が激しく、脚はひたすら走っている。(滑っている、という感じがしなかったのが、難といえば難なのか?)

これは・・・凄いわ。プレゼン、相〜当〜高く出るぞ。それほどのインパクト。
(だから、表現力とはバレエ的な踊りだけではないと言うのだ!)
当然。5.9がずらりと並んだ。
テクニックは、さらに上が出せるようになってるけれど(4回転入ってなかったと思うし)。

さあて、最終滑走のプルシェンコ。
この演技の後、彼はどう出る?

プルくんのフリー、今季はいろんな音楽を繋ぎ合わせたようで、ちょっと統一感に欠けるな、って感想を持っていた。
しかし迫力は凄く、また「あんた、悪いこと覚えたでしょ(笑)」ってな色気もある(いい意味でよ)。
SPと同じ、金色の手袋。これには、深い意味があるのだろうか。

しょっぱな、4+3、決まる。+2、はつけなかった。体勢が崩れていたのと、付ける必要のない大会なのと、両方か。 だけどフリーで4回転入れたの、彼だけかしら。はー、やっぱこっちも凄いわ。

IF用に縮めた分、音楽の切り返しがさらに激しく、そのたびに世界が切れてしまうような感は否めない。
こうなると、ひとつのテーマで突っ走ったヤグくんの方が、上だ。
得点が出る前に、確信する。

優勝は、ヤグ。間違いない

しかし、それとは別に大問題が。
武しゃんは、表彰台に上がれるのか!?(笑)
うう〜ん、うんうんうん(^_^;

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