−第4回 四大陸選手権大会−
(02/01/24〜01/27/at Jeonju Hwasan Ice Arena)

遠くて近くてアツくて寒くてあったかい国


出発まで

01−02シーズン、四大陸選手権の開催はオリンピックのわずか2週間前。
それは昨年、割と早い時期から聞いていて。
各国の出場選手、どうなるんだろう〜って、思ってた。もちろん、日本代表も含めて。

そして舞台は韓国。
スケジュール次第では、土日で行って帰ってこれるかも……?
んでもって、ひょっとすると海外で “日の丸+君が代” の可能性?
でも日程が日程だよ? 彼は出ますか、出ませんか。

わたわたわた。
シーズンインしてからも、どうにも気になるその辺の事情。
特に当初は、開催地はソウルという話が伝わっていたのだ。成田からちょっと飛べば、ねぇ。

秋口、「全州にて開催」と知り、ぶったまげる。
ど、ど、ど、どこそこ?
どうやらソウルから更に数百キロ、特急列車で3時間はかかるところらしい。
(サッカーをあまり観ない私は、ここが2002ワールドカップ開催地のひとつであることも知らなかった。ゴメンナサイ)

後々わかったことには、全州は2010年冬季オリンピック開催地に立候補するらしい…。それでか。

追記/結局別の市が出ましたわねぇ〜^^;。韓国内でどっちか揉めてたらしい? んもうっ。


それでもまだ、そっか〜、そうなんだ〜、どうしよっかな〜 くらいしか思っていなかったのです。むしろオリンピックで悩んでた。
あの、心臓がギリギリ痛むようなグランプリ・ファイナルが終わるまでは。


四大陸出場希望のニュースを聞いたその日、私は「焦らないでカナダで調整して!」と世にも悲惨な顔つきでいたらしい。
しかし一晩たったら、180度、コロリと意見が変わっていた。
そこまで言うなら出てやったりんさい!(←何語?)

貴方には「挑戦者」という言葉が良く似合うから。


怒涛の全日本終了後(武史くんは出ていない)、四大陸観戦計画が、突如具体案として湧いて出る。
大阪からの帰り、ぼけらっとしてた私とは逆に「行ってやるぞ四大陸!」とぐんぐん気持ちを高めていった友人たちのおかげで、私も遂にその気になる。
せめて男子フリーだけでも。
行って見届けてあげなくちゃ。彼の挑戦を。

あにさんに恐る恐る切り出してみれば意外にもあっさり承諾が。
曰く「あんたにはその辺が分相応じゃない?」
ハイ、おかげでソルトレイク行きはすっぱり諦めがついたのだから不思議なもので。私はアジアが好きなのね〜、というのはまた別の話。

という訳で、海外生観戦デビューは韓国だ! 行くぞ〜。


決心したのがもう12月末ギリギリ。
精力的に動いた友人が往復の航空券を確保してくれたのが年明け。
なのに私は、ちょっとした身辺の事情でなかなか韓国モードに入れないでいた。行く、って決めてるのになぁ。悔しい。

足の確保が出来たら、後は宿。
とにかく、泊まるところさえ決めてしまえば。


ところがどっこい、こいつが一筋縄ではいかなかったのである。


全州市。かつての後百済の都。李氏王朝発祥の地。
全羅北道の道庁所在地。
そしてワールドカップ開催地。

いわゆる古都、と言いますか。それなりの街であろうというイメージだったのだが。

まず全州の情報自体が無いこと無いこと。
市販のガイドブックにはせいぜい数ページ。
後はオンラインやアジアン友人ネットワークが頼り。

なかなか韓国モードに入れない私は、友人たちからの情報を見ながら、一所懸命スイッチを入れようとしていた。
他の用事が、全部雑用に思えてしまうもの(そうじゃないんだけど、実際は^^;)。

一応「ホテル」と名の付くものは3軒。
問い合わせには「すべて満室」との返答。理由は「スケートの競技会」。
え、そんなに!?

俄かに焦り出す。
大きいところは当然オフィシャルだろう。
(ネット上の四大陸公式ページにも名前がしっかり載っていた…。とはいえ、そのクラスのホテルは2軒しかないんだから、伏せるも何も無いってことで)

ワールドカップ関連のサイトを手繰って、旅館のリストだの何だの発掘。
2002年の合同開催がこんなにありがたいと思ったことは無い。

予約を仲介してくれるサイトの一軒に、思い切って電話を掛ける。
(ホテル直では「空いてない」とアッサリであった^^;)

ここのお姉さんが、本当に本当に親切だった。
とにかく会場まで通える距離で、泊まれればいい、と言ったらいろいろと探してくれて(アジアの安宿くらい、ほんのちょびっとは慣れてるわい!←やや弱気^^;)。
旅館クラスでもいいですか、と前置きされて紹介してくれたのは。あら。
昨日も断られた、一応“ホテル”の名の付く第三の宿であった。そっか、ここは旅館クラスなのね。

これはもう、本当に運が良かったと言うしかないだろう。
たまたまキャンセルが出た次の瞬間に、問い合わせたとしか思えない。
何とか、同日程で動くaちゃんの分と2部屋、確保にこぎつける。

2シングル、ということだったが実際はダブルの部屋(韓国の旅館はツインかダブルが標準な感じ……? 後はオンドル部屋など。料金は部屋ごと)。
イザとなったら、後日合流する友人とも、ダブルベッドで一緒に寝ればいいわっ(はっはっは)。
ようやく、一安心。これが出発の約2週間前。


宿泊と平行して、確保したいのがチケット。
なの、だが。

公式ページのどこにも、チケットに関するインフォメーションは無い。
探し回った挙句にQ&Aのページを開いたら「日本からチケットは買えますか」の質問を発見。あ、同志がいる(^o^)。
そしてその質問への答えは。

「ご安心ください、チケットは all free」(超意訳/笑)

おーる・ふりー!?? タダ、ってことですかい、コリアンスケ連?

日本での、オールイベント○万円、の感覚に慣れているこちらとしては、俄かには信じ難いこの記述。
地方大会などではそういうこともあるけれど、曲がりなりにも ISU の定めるレッキとした国際大会で。

「全席自由、ってことかな?」
しかし値段はどこにも書いてないのねー。

ええいもう、オールフリーって言ってるんだから、オールフリーなんだろう。
その場に行ったらわかるわい!


あとは、全州までの移動方法。
選択肢はいくつかあったが、結局、仁川空港からエアポートリムジンバスで全州まで、というのが一番簡単で確実であろうという結論に。

しかし、これ……。ガイドによってだいぶ所要時間が違う。
あるものは3時間、あるものは5時間!?(そーいうの、エアポート・リムジンって言うんですか^^;)

この時間によって、だいぶスケジュールが変わってくるんですが。
とりあえず、間をとって4時間はかかると覚悟。
時刻表もネットにあるのが有り難い(ああ、ワールドカップさまさま)。

空港着が12時30分過ぎ、入国審査や荷物のピックアップを考えると乗れるのは1時30分発のバス。
最悪5時間かかったとして、全州着が6時半頃、男子ショートは午後7時スタート。

なんとかなる!!


おおまかな予定を決め、腹を括ってしまえば後はその他のお楽しみ。
なんたって韓国よ!
おまけにどうやら “食の全州” であるらしい。きゃーっ、それはそれはっ。

ようやく完全にスイッチが入った韓国モード(遅いよ)。
アジアン仲間からは「ここへ行って是非これを食べるべし!」等々、目的とは少々乖離したオススメも回ってくる。
大会スケジュールを睨みつつ、果たしてどれだけこなしてこれるか、これもひとつのチャレンジだわ、と多少頭が脱線しながら準備の詰め。

韓国観光公社・東京支社まで行って、地図をもらって話を聞く。ここのおねえさんは、所要時間3時間半、と言うとりましたな。
役に立ちそうな本を何冊か買って読み飛ばして。

荷物を詰めたのは、出発の前日。

と言っても、装備も携行品も、いつもの観戦旅行と殆ど変わらない。そんなもんだよね。
旅行かばんに、すっぽり納まってしまった(いや、結構リストラはしたか……第一私、ハードケース持ってません^^;)。
着替えと防寒具、日の丸、そしてちょっと迷ったけどノートPC。これは賭けだ。繋げなかったらただの錘(笑)。

イベントスケジュールを印刷して、滑走順の確認。
武しゃん、貴方……。
やっぱり、早いのね(^_^;。7番目。

ま、珍しく(笑)第一滑走じゃなかったから。
少しは、余裕を持って会場に着けるかな。いやもちろん、第一グループに間に合いたいけどね。

とにかく、パスポートと財布。これさえ忘れなければなんとかなる。航空券は成田受け取り。
後は明朝、しっかり起きるのみ!!

……と言いつつ、やっぱりなかなか寝られないのでありました。
遠足を控えた小学生みたいだ……。


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