01/24 出発と到着 朝4時過ぎ、起床。 絶対に乗り遅れちゃいけない、5時58分発の成田エクスプレス。 朝っぱらから荷物抱えて、何度も乗り換えるのは嫌だったので、ちょっぴりの贅沢。 始発の池袋ではそうでもなかったのに、途中から結構、混んでくる。 皆さん、どちらへお出かけ? 斜め前の外国人男性、どこの国の人だろう。出入国カードを入念に書き込んでいた。ちょっと不思議な雰囲気の風貌。 空港着は7時半頃、aちゃんと合流。 チェックイン、軽く朝ごはん、なんとなくうろうろ散歩。成田ってあんまり来たこと無いからなー。 シャトルでの移動も初体験。 半日後には全州のリンクにいるのかと思うと、不思議な感じがする。 無事、着いてくれますように。 ところで搭乗早々、畳草履に履き替えたのは私です。だって、一応北国対応の靴を履いてきたんだもん。暑くって^^;。 今回のフライトは、JAS。 故に、フライトアテンダントも日本人。 あまり海外行き、という感じはしないけれど、なんとなく安心できてるのも確か。 英語と、それから韓国語での放送がある辺りで「あ、韓国に行くんだ」って感じるくらい。 やがて、飲み物と一緒に軽食が配られた。 2時間ちょっとのフライトでも、食事が出るんだ。知らなかったよ(海外経験少ないもんで/笑)。 空港でおそばを食べたので、殆どお腹はすいていない。 到着後のことを考えたら、テイクアウトしたいところだけれど、無理だろうなぁ。 コーヒーをもらって、少しだけケーキ・フルーツなどつつく。ついでにふと思い立って、ワインの小瓶を戴く。どうせ飲み切れやしないから、持っていこうっと(←最初からそれ考えてませんか、アナタ?)。 ほぼ定刻、仁川空港着。 昨年3月に開港したばかりとあって、近代的できれいな空港。 関空とか、香港の赤立角新空港とか、こんな感じなのかな。 入国審査に並んでいたら、隣の列にお知り合いさん発見! 岳斗くんファンのha-koさんとお友達。 同じ飛行機か、と思ったら違った。でもみんな、このへんの時間に合わせて来るのね。心強いわ(^^)。 並んでいると、いつの間にかカウンター上方の「外国人」の表示が「韓国人」に変わっている! ちょっとちょっと。急に変わらないでくださいよ。 でもいいのかな、いいのか? いいらしい。そのまま並んで無事通過。 後は、荷物をピックアップして……と。ターンテーブルが止まってしまった。 私のバッグ、まだ出てきてないんですけど。うそ!? “ロストバゲージ”の文字が頭をぐるぐる回る。 そんなそんな、よりによって今、そんな初体験したくない! 半泣きになりかけてキョロキョロすると、なにやら慌しくインターフォンで話す制服のお兄さん。 あ、あ、途中なのね、途中で止まってしまったのよね? お願い、そうだと言って。 数分後、再びターンテーブルは回り出し、無事バッグを手にすることができたのだが……。 マジ、冷や汗かきました。 一応、日の丸は機内持ち込みにしてありますけど(笑)、いやそういう問題じゃなくて。 何はともあれ、助かった。 両替して、エアポートリムジンの乗り場を探して。 インフォメーションのおねえさんに聞いた場所と、実際の乗り場が違ってた。 これは要するに、発音の問題〜?^^;。 「全州」と「清州」と「慶州」あたりか? だいたい「全州」のアルファベット表記も、何パターンかあるのだもの。 おそらく、例えば日本の“ローマ字”みたいな、統一された表記基準が無いのかな、と思う。 ネットで拾っただけでも「Jeonju」「Chonju」「Chongju」………。どれも正しいんだろうな。 滞在中、街の人々の発音を聞いていたら、やっぱり「じょんじゅ」が一番近そうな感じだった。 ともかく、無事リムジン乗り場を探し当てる。 空港はまだ漢字表記があるから助かる。その先、街中に入ったら殆どハングルだというから。今から覚悟。(渡航前、数日間で少しでも頭に叩き込もうなんて、所詮ムダな抵抗であった。頭カタくなってるからねぇ〜^^;) バス到着までの間、aちゃんは携帯電話のレンタルデスクへ。 国際通話もできるし、有ると無いとでは安心感が大違いだものね。 やがてバスがやってくる。運転手さんに直接料金を支払ってチケット購入。 (チケット売り場があるかのように記述されてるガイドブックもあるけれど、このターミナルには無かった。空港内の場所によっては、あるのかな?) 何となく、空いていたので右側最前部に座る。 あ、左ハンドルなんだ。そういえば、右から乗ったわ。 とりあえずは、定刻発車。一本道のハイウェイをまっすぐ、まずはソウル市内の金浦空港へ。数箇所経由で、全州まで走る。 か〜な〜り、怖かった…。 たぶんこれは、座った位置が悪い。 左ハンドル車で右側最前列。運転手さんの手元、早い話が、スピードメーター、ばっちり見えちゃうんだもん。 目の前の道路状況も、しっかりはっきり見えちゃうんだもん! ほぼ、時速110〜120キロ順行。 結構な交通量の間を、しゃらしゃら抜けていくんだけど、その、車線変更の仕方が! 首都高であれやったら、一発で事故ること、間違いなしだと思うぞ。 いや、それだけ運転技術も凄いんだろうけど。私みたいな運転下手なニホンジンには刺激がちぃとばか強過ぎたかも(笑)。 途中、ソウル市内を抜けたのだが、文字通りハングル一色。 わずかに数字(看板の電話番号)、そして『日式 すし』の文字をひとつ(お寿司が流行っているらしい)。 こうなると、英単語にすらホッとする。『OPEN』とかあるとね。読めた! って気分で(笑)。出会うのは、きわめて稀だけど。 そしてあちらこちらに『FIFA 2002 World Cup』の幟や横断幕。 おぉ〜、こちらでもやはり、話題はワールドカップなのねー。 2時間ほど過ぎた頃、一度トイレ休憩。 日本の高速道路のパーキングと殆ど変わらない風景、あ、売ってる軽食が違う〜。 餃子みたいのとか、肉まんみたいのとか、鯛焼きとか。 ちょうどお腹もすいていて、買い食いしたかったけど小銭も無いし。時間も気になるし。 万一置いていかれたら、どーすりゃいいのよ。 泣く泣く諦めてバスに戻る。 と、ここで改めて車内を見渡して、思わず声が出る。おんなじバスに乗ってたんだ、Mayoriちゃんっ。 お互い気が付いてびっくり。出発まで、しばしお話。 これまた乗った飛行機は違ったんだけど……。このバス、一体何人の日本人が乗ってるんだろ(笑)。普段はこんなに乗客、居ないのかも。 更に更にバスに揺られること2時間余り、ようやく到着。 午後6時少し前…。およそ4時間20分くらい、かな。 終点は全州随一の高級ホテル前。もちろん、今回のオフィシャルのひとつ。 降りると、制服風ジャンパーを着たおねえさんが「ISU関係者ですか〜?(英語)」と話しかけてくる。 ごめんなさい、選手でもファミリーでもないんだけど、競技を観に来たのは確か。 タクシー乗り場を教えてもらい、とりあえずは宿泊予定のホテルへ。 ぱぱっと時間計算して、可能だったらチェックインしてしまおうと思っていたので。重たい荷物から開放されたかったのと、とにかく部屋を確保してしまいたかったのと。 遅くなると、キャンセルされかねない不安があったから。 細かい事情を英語で説明する自信なんて無い(まして韓国語はもっともっともっと話せない!!)。 細い路地をくるくると抜けて、宿に到着。 外観もフロントも、小さ目な普通のビジネスホテルって感じでホッとする。 部屋も、こざっぱりとして過不足無し、な印象。 そして、床暖房。ベッドは置いてあるけど、オンドル風〜♪ あったかい。これはありがたい。 バスルームを覗いたら、バスタブは無くてトイレの壁にシャワー。 はは、そーいう部屋もあるって、聞いてたもんな^^;。適度な広さはあるし、全然構わん。よかよか。 大慌てで支度をして、再びロビーへ。 フロントでタクシーを呼んでもらおうとしたが、ラインが混んでて、通じないらしい。 そして、位置を確認しようとフロントの制服お兄さんに地図を見せて聞いてみたらば……。 おにいさん。 リンクの場所も正式名称も、わからないのね? 相当、マイナーな場所なのか、これは? まさか。いやしかし。 一応、Jeonju Hwasan Ice Rink 、と書いてあるのだけれど。 公式ページにも、地図らしい地図は載っていなかった。 住所も。名称も。Jeonju ice irena とだけ、小さく書いてあったのみ。(私らが見つけ出せなかっただけですかね?) webから印刷してきてくれた地図も、かなり大雑把なもので……でも、これしか無かったんだもの。 他所から観に来る人がいるなんて、ハナから想定していないような様子に、一抹の不安はあったのだが。 「全州で行われる、フィギュアスケートの国際競技会」 こう言えばわかると思っていた。甘かった。もっときっちり詰めて調べてくればよかったのか。 ああでも、これ以上はわかんなかったんだよぅ(涙)。 会場のハングル表記がわかれば、一番良かったんだけど。それはわからぬまま来てしまった。 (公式ページで “For Media and Chaperons Officials” と紹介されてた、そのホテルでわからないとは、思いもしなかったのだ。いや、ひょっとしたらわかる人がそのとき居なかっただけ、かも知れないけれど…) 電話は相変わらず通じない。 ついでに、英語もあまり、通じない。双方いい勝負のぶっ壊れたイングリッシュなら、逆に意思の疎通に必死になれる。 スーツ姿の、マネージャーみたいなお兄さんは、「ちょっと待って」と言って自らホテルの外へ出て、タクシーが通らないか待ってくれたのだが、どうやらそうそう通る場所じゃないのね、ココ。 そうとわかっていれば、先のタクシーに待っててもらう手もあったのだが。時既に遅し。 時間は刻々過ぎて行く。 やばい。男子SPは7時スタート、ウォーミングアップが6分あって、そして第一グループが5人……って。ちょっと待って! 確か、第一滑走のエマニュエル・サンデューくんが、棄権したのではなかったか!? 第一グループ、4人だ。ますます、やばい。 もう、待ってても来ないなら、大通りに出てタクシーを捜そう。 ここまで来て間に合わないなんて、そんなの絶対嫌だ! (地図のあの辺まで歩いたらどれくらいかかる? と聞いたら「遠過ぎるよ!」と止められた…。それでも最後の最後には歩く気でいたのだから、愛は強い←はい?) とりあえず見当をつけて歩き出す。 aちゃんが居て良かった。まるで方向音痴の私一人だったら、その辺で行き倒れてたかも。 何とか、ちょうどお客を降ろしたタクシーを捕まえ、全州アイスリンクに行ってください、と言ってみる。 ところが、これが通じないのよぉ〜(T_T)。 言葉が通じない、のではなく(いや、それもあるのだが)。 「アイスリンク」が、通じない。 フィギュアスケートの国際競技会をやってるところ、と言っても「?」。 うん、フィギュアはマイナー競技なんだよね。それは、わかる。 でも、中心街からタクシーで15分くらいの大きなスケート場って言ったら、理解してもらえると思ったんだけど。これも甘過ぎだったの? とりあえず、おっちゃんは車をスタートさせる。 もう、信じるしか、ないんだけど……。 「方向が、違う」 途中でaちゃんが言い出す。うそ。 大雑把な街の位置関係からも、どうやら別方向に向かってしまったらしい。えー!? そして、着いたところは。 「アイスリンク!」 おじさん、すっかり明かりの消えてしまっている建物を指差して言う。 た、確かに……その。アイスリンクかも、しれないけど。 ゲームセンターみたいな、娯楽施設のような? そんなところへ連れて来られたようで。 (帰国後に調べてみたら、どうやらローラースケートリンク? あまり自信ないけど、どうもそのへんあたりじゃないかと) こちらも必死。こんなところで降ろされたら、たまんない。 違うの、もっと大きいところ、フィギュアの競技会を今日やっているんですー。 身振りと片言で訴えれば、おじさん、ハタ、と気づいたようで。 やはり手振りでスケートが滑る様子を表す。そう、それです!! ありがとう、わかってくれて〜(;_;) OK、OK、と再び車をスタートさせ、そこはこう言うんだ、と正式名称を口伝に教えてくれる。 「じょんじゅ、ナンタラ…きゃんぎじゃん」 キャンギジャンだか…キョンギジャン、だか。あ、競技場!! そうかそうか、競技場、なのか。 あいすりんく、じゃ通じないのか。ひとつ、勉強になった……。そういえば、Ice Arena、って。Arena……。 それほど遠くには来ていなかったようで。 “2002 ISU” の文字と、四大陸のロゴがあしらわれた横断幕が見えたときには、ホント涙が出そうになった。大袈裟じゃなく、文字通り。 到着、ほぼ午後7時、ジャスト。 間に合った………(泣)。 アジョシ、有り難う、かむさはむにだ〜! 涙目で目一杯、お礼を言って。 走って、なんとか入り口を見つけて会場内に一歩足を踏み入れる。 え!? 何、この人。何、この熱気は!! ごめんなさい。 正直、それほど観客は入っていないと予想していたのだ。 あまりメジャーなスポーツではないということ、それからここへ辿り着くまでの道程…。 ところがどっこい、それはものの見事に覆された。 とんでもないの、お客さんの数が! ちょうど第一グループのウォーミングアップの真っ最中。 ジャッジ側はどっちか、と目をこらし、気が付いてくれたha-koさんが手を振ってくれてる側まで、狭い通路を、すみません、と通してもらって、なんとか辿り着く。 ふぅ、と座ってリンクを見やれば、ちょっとここ、特等席じゃない!? 列としては、上〜のほうなんだけど。 ほぼ、ど真ん中。リンク全体がぐるっと見渡せるし、死角も殆ど無い。 目の前、一段下はどうやらプレス席らしく、テーブルが並んでいる。電源もそれぞれに付いているから、それ用の固定テーブルだろう。 更にその下には、張り出したところにTVカメラが2台。 要するに、私たちの前には、もう一般客席は無くて。 ジャッジは、位置的にはTVカメラの下、にいるらしい。 プレス席にもまだあまり人は居ない。(ちなみに眼下のテーブルには、『TV○○ JAPAN』の紙が張られていた) 向かい側はびっしり客席だから、おそらく私たちの居る側は“裏側”の感覚なのだろう。 だけど、フィギュア観戦者という立場からみたら、とんでもなくいい席よ! 落ち着いて改めて客席を見渡して、再び絶句。 ここは…… フィギュアスケート 四大陸選手権大会 の会場、ですよね? なんだか、全然違う空間に居るみたい。 リンクは、普通のサイズよりも少し狭く感じた(ほんとのところは、わからない)。 会場全体は、そーだな、長野のビッグハットくらい? もうちょい大きいかな。 お客さんは、わりと中年層のおじさんおばさん、そして小さな子供連れが圧倒的に多かった。 あ、だからガヤガヤしてるんだ。 そして、向かって右斜め上の2階席には、子供たちのブラスバンド? きちんと鼓笛隊風の制服を着て、楽器を持って。 (オープニングセレモニーで、演奏したのかな) さらに左側ショートサイドには。……は。 迷彩服の青年たちが、びっしりと客席を埋めていた。 一瞬、固まってしまったけれど。普通にお客さんとして来ているみたい。 そうだ、この国には、兵役があったのでした。それについている、若者たちだろうか。 (もしかして、セレモニーで何かお仕事があったとか?) 日本には無い、ある種の厳しさ。一瞬、それに触れてしまったような気がして。 ちょっと、神妙な気分になった。 ♯ごめんなさい、やっとリンクに着きました……(^_^;。これから競技が始まります。 |