−2002 NHK杯国際フィギュアスケート競技大会(第24回)−
(02/11/28〜12/01/at Kyoto Aquarena)

それぞれの「挑戦」


11/28

出発前に掃除して洗濯して、あれやってこれやってと人に言ったら笑われちゃうんだけどわたわたと家庭内でのお仕事をこなしてから東京駅へ。
NHK杯に初日から乗り込むというのは初めてのことだったので、それなりにフォローもしておかなくてはなりませぬ。
あにさん、ありがとね。

公式練習の公開もないので、ややのんびり気味に家を出る。競技開始に間に合えばいいもん。
東京駅のホームにて武史ママさんにバッタリという、嬉しく素敵なN杯のスタートでありました(^o^)。
気合も入るというものよ〜。

京都駅から地下鉄に乗って、それから阪急に乗り換えて、まばすホテルにチェックイン。
今回、宿泊施設争奪戦の激烈さを10月頃に知り、早めに手配しといて良かったあぁとつくづく思っていたのだった(何しろチケット取れる前からホテルは予約したもんね/笑)。
侮るなかれ、観光地・京都。

前泊している友人Aちゃんと連絡を取り合い、会場に向かう。
“スルッとKANSAI”、首都圏で言うところの“パスネット”のような地下鉄・私鉄共通カードを、私は一番安い千円のものを買っていたのだが、「だってすぐまた来るし」の言葉に目からウロコ。
そうだったそうだった! 三週間後は全日本じゃん! あはははは。

今回、余ってもいいんだ。
頭回ってない(笑)。


西京極の駅前には、「京都アクアリーナはこちら」のボードを持ったお兄さんたちが待機していた。ありがたや。
今夏オープンしたての新しい施設は、鉄道のガードを潜って潜って、ようやく全景が見えてくる。

歩くこと数分、まもなくエントランスというところでPHSの呼び出し音。――― sumireさんでした。
柔らかい関西弁のイントネーションで「もう、3階席くらいしか空いてないんですよ」
ひええええっ。

本日、全席自由。
前売り券を持っているし、リンクサイドに執着もしていないので、ほどほどの時間でいいと思ってたんだよね。
ほんとに、満員御礼、だった。ぎっしり。

このリンク、大きな国際試合をするにはちょっと小さいかなーという規模で(チケット争奪戦が厳しかったのはそのせいもあろう。もともと客席が少ない)、その中でびっしりなので益々「入ってる!」感が強く感じられる。
早々に2階席は諦め、さっさと3階への階段を登った。

私の持っている明日からの指定席はすべて東側。なので、今日くらいはジャッジ側から観たいと、西側に回る。
3階席でもこの近さ! 代々木だったらSSランクではあるまいか。
まだ余裕があるので、いくつか椅子に座ってみて、一番観やすそうなところを選ぼう。

と、これが。ことのほか難しかった……。
建物全景からも推測されるように、事前に目にしていた座席表からもわかるように。
西側の観客席は、そら豆型に、ぐにっと曲がって配置されているのである。
(本来はそら豆、ではなく勾玉をイメージしたとのことですが^^;)

思いっきり、左下が死角。
こんなに近いのに、立ち上がっても見切れない、フェンス際のエリア。
張り出した客席の、真下にリンクがある感じだから……。
外観はともかく、なんで客席配置も曲げちゃったんでしょう(;_;)。設計者はあまりイベント観覧はしたことが無かったのかな? 水泳だって、プールの端のコースが見えないんじゃ、ちょっとね。
客席は長方形が良かったんじゃないかと、ついつい思っちまったのだった。

でもこの位置からなら、花束を落とせば絶対リンクに入るわね、等と妙なところをフォローしつつ。
場内はさすがに新しく、きれいである。

仮設のRS席の最上段は、3階席に届きかねない高さではあるが、目の前にぶっとい手すり付きフェンスという障害物が無い分、やはり観易いはずだとも思ったり。
勾玉部分の死角も無かろうし。

位置を決めた後は、トイレ&売店チェック。
今年はポスターもチラシもプログラムもメディアインフォメーションも、何もかも“アランフェスの武史くんがモデルの絵”なので、知らず知らずウキウキとしてしまうのだな(^^)。

滑走順の紙は既に残っていなかった。あいや。残念。
3階にレストラン有り。しかしここで飲食するのは難しかろう。
各種出店、花屋さん、記念品コーナー。
四角いどーもくんが気になる(笑)。立方体のぬいぐるみ。

客層は地元色濃し。
子連れのおじさまおばさまとか、制服姿の女子高生とか。
揃いのフットボールチームのブルゾンを着ている男子学生とか。
何にせよ一杯というのは嬉しい。

ふと見下ろすと、放送席が斜め下に見え、御大五十嵐文男さまが座っておられる!
きゃー、間近、間近。←ばかです。


オープニングセレモニー。
いきなり『古事記』が流れて、心臓がどっき――――ん!!

聞いてないってば。心の準備が。

思い入れの強過ぎる音楽をバックに、地元スケーターによるフラッグパレード。古都京都のイメージを前面に押し出して、子供たちの衣装もきらびやかな着物風。
女の子のは色とりどりの花が散らされ、男の子も波か風を表したような渋いデザインになっている。
着物アレンジの衣装でここまで決まっているのは初めて見たかもなー。揃うと壮観。

近くの席から「音楽がええなぁ」という声が聞こえてきて、そうでしょそうでしょ、と心の中で相槌を打つ(笑)。
しばしのトリップ。
挨拶をする京都市長さんもこの日はお着物でありました。
さすが、板についていらっしゃる!


コンパルソリー・ダンス。
今回の課題は「タンゴ・ロマンチカ」。
ゆえに、皆さん衣装が黒と赤。タンゴといえばそうなのねぇ。
イギリスのハンフリーズ&バラノフ組のみ、茶系の衣装でちょっと目を引く。

スタートから音楽数小節、ここから課題というところですとっと死角に入る位置。
リンクをいっぱいに使う上手なカップルは視界から消え、端まで行き切らないカップルはその姿が上から見えることとなる(^^;。

その意味では、この角度からの観戦はなかなかに面白いものでもあった。


ところで、初っ端からテンションの下がるアクシデントが発生してしまった。
一組目の第一マークが、なっかなか出ない。
基準値を揃えるから時間がかかるとか、そういうレベルではない。
いい加減かなりの時間が経った後に「コンピュータの故障です……」のアナウンス。がく。

あ――――――っ、もう〜。

だからこのシステムには問題があると言うのよぅ。コンピュータは万全ではないのだよ。
何かあったときの代替案が準備されてない……はずは無いとは思うんだけど。
選手も萎えてしまうでしょ。
特に次の滑走の選手が本当に気の毒。身体冷えちゃうし集中を持続するのも多大な精神力を要するだろう。
Kiss & Cry にずっと座って待っている選手たちも、点数が気が気でないだろうに手を振ったりおどけてみせたり、何とか間を持たせようとしてくれてた…。

不愉快になってしまうから今後もう書かないけれど。大会通して毎日何かしらこの手のアクシデントが続いたのでした。予想違わず、彼の滑走前にもさ……(^_^;。
現場は笑い事じゃ済みません。裏方はそりゃあ冷や汗ものだったと思うのだが。
ハイパー大国?ニッポン、頑張ってよー。


ロバチェワさんたちは流石にレベルが違う!
ぱああっと、花が咲いた感じ。アイスダンスはあまり詳しくない私でも、この組の脚捌きが他と違うことはわかる。

そういえば、ダンス・カテゴリーは12組ともしっかり来てくれているのよね。
更に考えれば、男子シングル以外は、昨シーズンのワールドチャンピオンが来日しているのだ。
なんと実は豪華ではありませんかNHK杯!

のんちゃん&木戸さん、りえちゃん&けんちゃんの番には、思いっきり日の丸を振る。
チャイナのカップルと、どこがどう優劣がつくっていうのさぁ、と素人な私らは考え込むのであった。
のんちゃん組10位、中国の張&曹組が11位、りえちゃん組12位。



整氷中にちょっとお散歩。
ロビーの奥では、うどんやおにぎりなどを売っていて、椅子とテーブルが並べてある。混んでいるのは致し方なし。
やや大きめのモニターが設置してあって、BSデジタル放送のデモンストレーションをやっていた。
お、これは競技終了直後にここに来れば、プレイバックが観られるかも。

整氷後、ペアSP。
ここ数年TV中継も無いので、現地に来ないと観られないというのが悔しかったのだった。
今年はしっかり観るもんね!

参加がたった7組、というのが寂しいところ。
そんなぁ、いくら極東とはいっても、グランプリシリーズ最後の試合なんだからさ、来て下さったってよいじゃない、ねぇ(^^;。

ダイナミックなペア競技は、初めて観る人にはインパクトの強いもの。
ウォームアップ中から歓声や溜息がもれ、非常に楽しい気分になる。

さて、日本選手応援団的私がまず一番に気になるのは、チーム続行となった悠子ちゃん&マルクンのペアだ。
心機一転、復活なるかどうか。さてさて。
メディアインフォメーションで、悠子ちゃんのProfessionが"full-time athlete"となっているのを、すごいなぁと思いつつ眺める。

衣装がやっぱり……ちょっと、クラシックというか前時代的というか。
悠子ちゃんの細〜〜い身体に、ぴったりした長袖のコスチュームはマッチしづらいかもしれない。あと、色と。
そしてついつい、マルクン頑張って〜と念を送りながら観る。
「二人の世界」を自然に柔らかくつくれるようになってくれたらいいな。


雪ちゃん&宏博にいさん、局地的に物議を醸した、噂の衣装で登場!

生で観ると、衝撃は倍増、いや6倍増。
チャイナレッドをベースにアシンメトリーなフリフリ、そして……そして……極めつけ、意味不明の、脇腹位置にある、黒と肌色の円形マーク。
漢字でもなく、さりとて何か意味のある図形とも思えませんで……。

Aちゃん絶句。
ううう、宏博にいさん、ほんとはかっこいいのに(^^;
ましてや、音楽が『Beethoven's Last Night』とくれば。その関連性に首を捻るのも、致し方ないことではありませんか。
一体全体、何を表してこの衣装になったのか、誰が教えてくださーい。

結果は貫禄の1位通過。
プレゼンテーションで下げられるということにも、無縁になりつつある(私ゃあの衣装のせいで下げられないかと半ば本気で心配しちゃったよ^^;)。
スロウやツイストの高さ・飛距離は、他に追随を許さない。流石。
2位以下のペアが少々小粒な感じがしてしまったなぁ…。

悠子ちゃんたちは6位通過。
明日のフリー、どうなるかな。

そうそう、USのROTH & McPHERSON 組のとき、キスクラに有香ちゃんが居て少々驚き。
ダンジェン氏がコーチなのですねー。


ダンス競技と同じく、ペアもこの角度からの観戦というのは非常に興味深く面白かった。
なるほど、スピードとか氷面の使い方とか、横からより上からのほうが、実感としてはっきりとわかるものなのね。
リフトしながらリンクのどの辺りまで滑っていくか、それだけでも随分差が有るものだと再認識。
カップル競技、この位置からのジャッジも面白いかも!?(無い無い)


あっという間な気がするけど、本日の競技はこれでおしまい。
3階席は、最初はそれほど感じなかったのが、時間が経つに連れてしんしんと冷えてきた。
椅子は硬くてちょっと座面が短い、座布団はやはり必需品だな。うん。

夜もかなり遅いし明日からが長いので、まっすぐ宿泊している駅に戻る。
お腹のすいていた私は、晩御飯用に松屋でテイクアウトなどしましたのでした(何故に松屋/笑)。
予て用意の(笑)アルコール飲料を口にしつつTVニュースを眺めたけれど、スケート関係の話は無かったかなぁ…。


ところで、どうでもいい話なんですけど、NHKは「日本放送協会」であって「国営放送」じゃないんですよ〜。
以前NHK勤めの友人が強調していたので、念のため(笑)。


背景は「トリ小屋」様から頂きました。
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