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二日目。
サービス朝食は最初から諦め、のんびりと目を覚ます。
ベッドが大きめでスプリングの具合もよく、枕もほどほどに硬くてぐっすり眠れた。
ユニットバスも、トイレ部分は狭くても湯船が大きめにとってあり、お湯もたっぷり出るのが嬉しくて、早速フロントで貰った入浴剤を入れてとっぷり浸かってしまった。

何よりこの部屋、照明が明るい!!
ビジネスホテルって、落ち着いた雰囲気にするためなのか、部屋中の照明を全部つけても薄暗いことが多いんだもの。
ここはデスクに専用ライトまで有って、画面を見たり文字を書いたりするに、申し分なし。
このホテルすっかり気に入っちゃったよ(^o^)。

唯一、窓が開けられなかったのが残念と言えば残念ではあるけれど。
朝の新鮮な空気を入れたいときも、あるもんね。
でもその程度。次に京都に来ることがあったら、覚えておこうっと。
(ちなみに全日本の分はとっくに予約してあるのだった(笑)。いいところで良かったー)


午前中は京都駅まで出て、お土産を物色したりあたりを散歩したり。
賞味期限を確認して、生湯葉を買う。
所謂観光らしい観光はしなかったが、先斗町の辺りを歩くだけでなんとなく京都気分。

最後は駅から繋がる長〜〜いエスカレーターで一番上まで登って、京都市街を眺め渡して、カフェでコーヒーを飲んで、それから一気に階段を降りてきた。やってみたかったんだもん(笑)。
同じことをしてる人は何人も居たよ(はは)。

頃合を計って一度ホテルに戻って(部屋に入れるよう、予めお願いしておいた)、観戦モードに着替えて再び出発。
今日は昨日より重装備。京都は寒いと言われてきたけど、そうでもないかな……電車の中は暑い。それは当たり前。
そう言えば午前中に乗った電車、車体一面に西陣風の桜だか梅模様だかが散らしてあって、度肝を抜かれましたです。
後にも先にも、これ一回きりしか出会えなかったなぁ。

場内で先行発売の『World Figure Skating 9』などを手に入れ、滑走順を今日はしっかりと貰い、席に着く。
SS、スタンド席。ラッキーなことに、今日明日はほぼ中央のブロックで、観戦には申し分の無い位置だ。感謝感謝。
最初は全日裏側か〜〜と思ったけれど、東側の席はほぼ直線的配置なので、むしろ運が良かったのかもしれない。
もちろん表から観たいという気持ちも、大きく、あるのだけれど…。
それとは別に、ちょっとした経緯から観戦事情が私的スペシャル(ん? いやその、ほほほ。にこにこ)。

競技が始まる頃には、立ち見の人がびっしり。すごい。
逆に椅子席がぱらぱら空いてて、早く埋まらないかなー。仕事が終わってからとか、そんな人も多いのだろう。


オリジナルダンス。
テーマが“Memories of a Grand Ball〜大舞踏会の追憶”ということで、衣装も実に実に華やか〜。

そして早速日の丸の出番!
りえちゃん&けんちゃんは緑をベースに金飾りの衣装で可愛らしい。早いテンポの後半部分で、運動会を思い出してしまった(^^;。
そういう人、多くない?(何しろ曲が曲なもので。『クシコスポスト』)

黒白でスマートなイメージの、のんちゃん&木戸さん。 のんちゃんがまた一段ときれいになったような。
国内対決、今季はこちらの組が一歩リードという印象。脚裁きやキレ、雰囲気づくりまでトータルに、私の目にもそう見えた。
後からTV放送を見たら、この時点でUSのカップルとは3対4のスプリットだったのね。あ―――残念っ。

雰囲気を変えやすいからか、ワルツとポルカを組み合わせるカップルが多い。
同じ音楽も何度かかかった。
舞踏用の音楽ならたくさんたくさんあるだろうに、何故か重なってしまうのか。不思議。

やはりロバチェワさんたちは、ぽーんと飛び抜けている。
髪に花を飾って、何とまぁ可愛らしいこと!
ぴったり揃った速いステップに場内拍手!!


12組すべて終わって、ロバチェワ組1位、チャイト組が2位、ウィンクラー組が3位。
のんちゃんたちが10位、りえちゃんたち12位、変わらず。


女子ショートプログラム。
滑走順が、すごいことになっている。
スルツカヤが第一グループで滑り終わった後、恩ちゃん、静香ちゃん、章枝ちゃんと続いて3人。
章枝ちゃんが一番緊張するよね、これ、多分……。頑張れみんな。

第一グループのウォーミングアップ。
リンクサイドに選手が集まっているのを見て、皆さん思ったことでしょうが、スルツカヤ! 最初わかんなかったよ。
髪が伸びてるだけでなく、赤毛っぽくなってる。
それだけでこんなにイメージが違うのだから、女性のヘアスタイルは重要なのだ。
ソコロワちゃんもイメージ変わったなー。


第一滑走、方丹ちゃん。ちょっと背が高くなった?
去年の世界選辺りで見たときのほうが、全体の雰囲気が良かったな。今日は余り調子良くなさそう。
線がきれいだし、まだまだ伸びる子だと思うのだが。

アンバー・コーウィン。あ、なんか久しぶり。
この選手もそれなりの歳になった……いや、ベテランになったというのか。
勢いという点では若手に負けてしまうかもなぁ…。
3トウ−3トウを降りる。若干回転不足? 不明。

イメージチェンジのスルツカヤ。
ふっくらした、いや痩せたようだと2説あるが、私の印象は前者であった。
顔が、っていうんじゃなくて、全体の身体つきが、アスリートとして絞り切れていない、という感じ。

後で知ったことだが、練習を開始したのも遅かったらしいので…。
多分、このときの印象は間違ってなかったんじゃないかな。体重は別にして。

出だしからなんとなく重たそうだ、と思っていたら、コンビネーションが2ルッツ−2ループに。あららー。
残りのジャンプは流石に決めてきたけれど、キレがいまいち。スピードも無い。
う――ん。あまり、良い出来ではない……。
エレメンツ 5.0−5.4、プレゼン 5.5−5.8。


第二グループ。
日本の三人娘、参上!!(笑)

GPシリーズ内でかち合っちゃうのは、戦略としてどうだろう、という部分もあるのだが、しかしこの贅沢さは、観る側にとってはたまらないものでもあり。
全日本の前哨戦、てな気分にもなってくる……どきどきどき。

恩ちゃん。薄い水色ベースの、ノースリーブドレス。
『Love in Slow Motion』だなんて、びっくりしちゃうよね。去年とはがらりと変えて。

TVではとてもわかり難い部分なのだけれど、演技中に時折「はっ!!」と、心臓がドキリとするような印象深いシーンを見せてくれるの、恩ちゃんは。
それは表情であったり、決めの一瞬であったりと、様々な形で現れるのだけれど。

嫌いなバレエにも通って、手の動きや身体のきれいな見せ方を練習して、でもそれ以上に素で持っている「人を引き付けて離さない魅力」が、更に研ぎ澄まされて磨かれたように感じられる。
「はっ!!」とさせられるシーンが、今日この2分40秒の間に、何度あったことか。

エンディングのポーズに、引きずられるようにスタンディング。
鮮やかに振りまかれる満面の笑みに、日の丸振りまくって拍手拍手!
すご――――――い、上手になった!!!

こんなに成長の跡がはっきりと現れたら、そりゃあアピールするでしょう。
ほんとにきれいになった。
そして、本質は変わっていない……。「何か」があるんだよ、彼女には。

キスクラでもご機嫌の笑顔。
5.3−5.8、5.3−5.8! 高い!! ここまでで当然1位。
そう言えば、ジャンプもすべてノーミスだった。SPでは、本当にそれが重要なことなのだ。


白鳥の女王、登場。
おそらく、しーちゃんにしか着こせないだろう、アバンギャルドでメタリックでゴージャスな衣装。
ブロック大会で一度見ているが(そして度肝を抜かれた)、何度見てもすごいよなぁ……。
そんな白鳥見たことない、のだが、どこからどう見ても白鳥。
加えてそのスタイルの良さは何事だ(^^;

クライズラー&カンパニーの、モダンアレンジの『白鳥の湖』。
気高く誇り高く、威厳を見せ付けて舞う鳥の女王。

2分40秒間、これまた目が釘付けであった。東京ブロックのときより、確実に進化している!

ストレートラインステップは、まさに「おおお、モロゾフ!」似合う。
この振り付けに出会えて良かったね。そしてしーちゃん自身も明らかに変わった。
見事に一皮剥けて、艶やかなる変身。

気がつけば、彼女もまたパーフェクトな演技で終了していた。
ひゃ――――――――!!

久しぶりのN杯での笑顔。
5.1−5.7、5.2−5.7。恩ちゃんよりもばらけた。そして現在、2位!


視線を落とし、じっと集中する章枝ちゃん。
その緊張が、いい方向に出てくれることを祈りながら。
今季ずっと着ていたワンショルダーの紫のドレスではなく、黒の長袖に替わっていた。そして黒い手袋。
稽古着風に見えなくも無くてちょっと地味……前のでも良かったのにな。試行錯誤中かな。

あぁ。場内に溜息が漏れる。
コンビネーションのファーストジャンプでステップアウト。
緊張感のほうが、勝ってしまったか……。
しかし、気落ちする風情は見せず、そのまま続行。ショパンのピアノコンチェルト。
きれいな旋律にかぶさる、きれいなスケーティング。

ミスらしいミスは、最初のルッツのみ。
SPは厳しい競技だ。エレメンツ、5.0−5.5。
プレゼンテーションは、5.6−5.9まで! でもどのジャッジの順位が採用されているのかはわからない。
プレイスも現場では表示されないし、最終結果が並べられたらまったくわからない状態になる。
なんとも、歯がゆくジリジリしてしまうシステムなんだよな……。

電光掲示板に流れた結果は、章枝ちゃんが3位。スルツカヤの上に入った!


11人全員が滑り終わって、恩ちゃんしーちゃん章枝ちゃんと、日本勢がベストスリー
こんなことって、こんなことってN杯始まって以来じゃないの!?

でもその可能性は、本番前から充分に考えられることだったもの。それが現実になったまでのことなのだ。
聞いて驚け、世界中のフィギュアファンたち!(^o^)
今、日本の女子勢はすごいのよん。

こりゃ、明日はとんでもなくエキサイトするだろうなぁ…。


ペアフリー。
初めてのメダリストが決定する。

興奮し捲った女子カテゴリーに比べて、少しばかりテンションが落ちてしまったことをここにお詫び申し上げます……ごめんなさい。

悠子ちゃんたちは2番目に登場。
うむむむ、相変わらず斬新な色合いのクラシカルな衣装。
EXナンバーのバービーガールみたいな衣装なら似合うのになぁ。競技には使えないけど。

今季のフリープログラム、『Those are the Nights』……。タイトルからは気づかなかった。この曲、学生時代に芝居で使ったことがあったんだ。
『Those Were The Days』、邦題『悲しき天使』。
modern version て、タイトルまで捻ってあったのね。

しばしトリップしてしまった。
耳からの記憶って、時に視覚からの記憶よりも鮮明で強力。
ごめん、これって悠子ちゃんたちの演技の感想じゃないわ。


第二グループの先頭を切って、雪ちゃん&宏博にいさん。
昨シーズンと同じ『トゥーランドット』。新しいプログラムも観たかったんだよね、実は。
それがちょっぴり物足りない。

ダイナミックだし二人の雰囲気もしっかりできているし、でも昨年のN杯のような感動には、残念ながら至らなかった…。
同じプログラムなのにね。不思議。そういうこともある。

ポーランドのザゴルシュカ&シュデク、女性がさっぱりショートカットにしてイメージチェンジ。
これはとってもよく似合ってて、正解じゃない?

ラングロワ&アルケット、『トスカ』の有名なフレーズがこれでもかと繰り返されて、頭の中に溜まってしまう(^^;
それも作戦?(笑)しばらく耳から離れないの。

マリアちゃんがまた髪型もとに戻りましたね、ペトロワ&ティホノフ。
このペアは、ミスまでユニゾン……。二度目を見ると流石に驚く。
きれいなんだけどな。迫力&スピード不足か。


結果、雪ちゃん&宏博にいさん、貫禄の金メダル。


表彰式のプレゼンターの女性たちは、当然、振袖姿。
四人それぞれが違う単色がベース、裾の辺りに濃い目の色が差してある、シックで落ち着いた着物だった。
華やかな御所車とか花吹雪もいいけれど、こういうのもうるさくなくていいな〜。
東洋の女性の民族衣装は、素敵だよね。

メダルにトロフィ、花束。
それから「京都市長賞」とかで、煌びやかな金色に柄の入った扇と、西陣織のタペストリーのようなものが贈られた。
みんな、興味深げに不思議そうにそれぞれ眺めているのが、可笑しくも微笑ましい光景でございました(^o^)。

そしてビクトリー・ランのときに、台の真ん中にまるでオブジェのように、扇とトロフィと織物が妙にきれいに並べてあったのだった(笑)。


さて、徐々に集結しつつある武史応援団(笑)。
皆でゴハンを食べましょう、と電車に乗って河原町まで出る。
こういうとき、地元の人がいるととっても心強いもの。
(かと言って、私が都内で役に立つかというと、これがまったくダメなのだが^^;)

金曜日なのでどこも混んでいるのね〜。
そんな中、とある飲食ビルの前での客引き合戦に捕まる。
四方八方から誘いかけてくる店員さんたちの中、唯一人、上まで一緒に上がって座れるかどうか確認しましょうと行動に出たおにーさんのお店に行くことに。
営業の基本精神を見たような気がした……(笑)。

都合もよく京料理のお店だったので、そこに決定。
人数分の割引券までくれたおにーさん、ありがとう(6人居たので6千円引き。これは大きい)。
おかげさまで、びっくりするくらい安く美味しくいただけました。お店の損にはなってないよね(^^;

かなり夜も更けてからホテルに帰館。
明日からいよいよ、男子シングルの競技が始まる。
気合入れまっしょう。


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