−2003 NHK杯国際フィギュアスケート競技大会(第25回)−
(03/11/27〜30/at Asahikawa Taisetsu Arena)

武史くんのいないNHK杯


11/28

※武史くんは、足首捻挫後の経過が思わしくなく、数日前に欠場が公式に伝えられました。※

お天気、晴れ。全日本ジュニアの会場で、ショックで立ち尽くしていたのはつい一週間前のこと。
ほとんど中身を入れ替えていないバッグを肩に、羽田空港へと向かう。
悲しくって悔しくって、でもなんだかすとんと落ち着いて、結構透明な気持ちになっているんだな、今…。
現地に行ったらどうなるかわかんないけど。

機内で新採点方法についての日本語訳をひたすら読む。
目の前で観たらいろいろ思うこともあるかしら。


三年ぶりの旭川。あらまー。あったかい。
降りしきる雪の中、こわごわバスから足をおろしたのが嘘のようだ。いいんでしょうか、こんなにあったかくて。
街中には、すこーしばかり、雪の名残もあるのだけれど。

メインストリートはまさしく“N杯通り”。
ポスターやチラシと同じものがずーーーーーっと街灯にぶら下がってるし、デパートには「祝・甲子園出場!」並みの垂れ幕がかかっているし。市をあげての歓迎ムードが嬉しい。
嬉しいんだけどな。嬉しいんだけどね。

ホテルに荷物を預けて、早速ラーメン屋を求めて彷徨う。
「やけラーメン食いの旅」でもあるのだからね、ハズしてはいけないのです。

あ、あそこ、3年前にコーヒー飲みながらクダ巻いてた店だぁ(笑)。懐かしいなー。

本日の旭川らーめん、二重丸。せめてこれくらいの当たりが無くちゃ、悲しすぎるもん。

駅前からシャトルバスに乗って会場に向かう。前は路線バスに乗ったっけ。値段は同じ。
時刻表も貼ってあるし、今回もとても親切だ。
それにしても、本当に雪、無いなぁ。寒冷地対応靴の威力を試してみたかったのだけれど(笑)、交通機関の遅れとか、気にしないでいいのはありがたい。


教育関係のご招待、小学生中学生、ぞろぞろぞろ。
いいなぁ、こんな課外授業。武史くんを観てほしかったなぁ。

とりあえず、ファンブック『little wings』を買う。
このお金が少しでも強化費用に回るなら(笑)。
女子だけでなく、今度男子バージョンもつくってくれないだろうか。シニアジュニア取り混ぜて、個性派が揃って豪華な顔ぶれになると思うのだけれど、それは私が男子ファンだからか。
まぁ逆に、マスコミ前線に出ている女子と違って、男子はそっと見守りながら育てていってあげたい気持ちも同時にあるのね。
こんなシーンでは、男の子の方がデリケートな気がするから(えへへ)。


オリジナルダンス。
のっけから奈加子さん&賢二くん。うわぁ、本当にこのお二人なんだね。
りえちゃんけんちゃんは言いやすかったけど、これからどう呼んだらいいんだろう。ちょっと迷う。
奈加子さんはピンクのドレス、賢二くんはスボンの片側を膝までまくって派手派手シマシマ靴下を見せてスタート。
二人並ぶと、ビジュアルとしてはなかなか良いです。濃いわ〜(^o^)。演技カラーとしてはフリーのほうで語りたいのでここでは置いといて。

あっと、日の丸日の丸。忘れてた。
武史くんがいないと、こんなところで気持ちが抜けてる。持ってきたんだからちゃんと振らないと。

今季の課題、スウィング・コンボ。
スウィングと言うからにはスウィングなのであって……覚悟はしていたさ。くう。
のっけから『Boogie Woogie Bugle Boy』に『Sing, Sing, Sing』。泣ける。

てか、ほんとに泣かす気かー!(笑)
ダンス12組中、『Sing〜』が何回かかったとお思いですか、よよよよよ……。

のんちゃんと木戸さんは、昨シーズンのフリーに『Sing〜』を使っていたから、このリズムはお得意の分野かも。
のんちゃんの衣装が、パンツスタイルに上着の片側ひらひらで……そういえば、女性はスカートでなくてもOKとか、ルール変更があったんだっけか。ダンスだけかな。
しかし木戸さんいいな〜(^o^)、楽しい楽しい、なんか嬉しくなってしまうのだ。

中国のYang & Gao、チームチャイナにしては衣装がなかなかお洒落ではありませんか?


女子SP。
日本女子三人とも、わくわく期待のショート。
その前に、トップはカナダのキュリーさん。音楽が『ボレロ』である必要はあったのか……な……?

戻ってきた旭川、ジェニファー・カーク。いやはやお姉さんぽくなったのねぇ。
もう、baby ballerinaってイメージじゃない。

スケートカナダのTV放送を観て、すっげええぇぇ〜〜〜〜〜と思った太田由希奈ちゃん。
彼女のSPは、特に楽しみだったんだ。手が、表情が、身体捌きがと、生で観るのがドキドキだったのだ、が。

ちょっと今日は、なぁ……………。
ジャンプの失敗もあるけれど、それよりもメリハリが無くて動けてないのが気になった。
彼女の『売り』であるはずのスピンまで、線がきれいに見えなかったんだよね……。あくまで私の主観だけれど。
今日の出来では、この点数は仕方が無いと私はその場で思ったわけです。

恩ちゃん。
観るのは初めて、今季の新ショート。
あー、髪の毛、切ったんだ、可愛いなー。「人人人」を飲むのは今も変わらない。

『三つのプレリュード』。可愛い、可愛いプログラムなんだけど、えーと、ニコッてするところと、ジャンプを跳び切る前までの表情の無さが妙にギャップがあってちと困ってしまった。
恩ちゃんの可愛さってのは、ほんとはもっともっと内面から自然と溢れかえってくるもので、こちらも知らずと笑顔になって立ち上がっちゃうような人を巻き込む魅力であって、ヘンにつくったっぽい笑顔は却って違和感になっちゃうような……。
本当に自分のものにしたら、とってもチャーミングなプログラムになるはずだと思うから、これからかな。まだ今季前半戦だし。

第二グループ。トップは中国の方丹ちゃん。
真っ白なドレスで、音楽は………。うっ。
ロミジュリ……しかもNino Rota………。

きついなぁ。泣きそうになっちゃった。そのメロディライン。
白い清楚なジュリエット、イメージは方丹ちゃん独特のもので似合っているんだけれど。集中できなくてごめんね。

ハンガリーのディアナ・ポス。
不思議な振り付け……。
タイツが半端に靴にかかっているのは、あまりきれいには見えないので、完全に被せるか靴の中にすっぽり入れるか、どっちかにしたほうが良いんじゃないかと思うんだけど、どうなんでしょ。
そして得点が出て、わーそんなに高いん? 確かにジャンプ全部降りてはいた……けど……ストレートラインステップなんかリンク半分までただ走ってただけに見えたんですが。それでええの?(^^;

章枝ちゃん『Paint it Black』。
シングルでも、パンツ風に見える衣装はOK? スカートはちゃんとついているけれど、ちょっとびっくり。

“観せる、魅せる”ならやっぱり章枝ちゃんだ!!
リンクの端まで滑ってくるし。
振り付けっぽさがとれてこなれてきたら、もっといいだろうな。
そしてTCSの高さに、ちょっぴり驚いたこともここに告白いたします(すいません…)。

それより驚いたのがリアシェンコの得点。
そ、そんなに出るのかー!?(章枝ちゃんのは「ちょっと」。リアシェンコのは「えええぇぇぇ!!???」。すいません、思い切り主観入ってます)

あのね、TESはまだいいのです。
章枝ちゃんの失敗はコンビネーション、リアシェンコのは単独トリプルだし。
それで章枝ちゃんが下になったのはわかるんだけどさー。
だけど、そのジャンプ失敗をすべて補って余りあるほど、TCSに当たる部分、良かったんでしょうか。
無難だけど心には全然残らなかったな。単なる好みなのかな。
そしてジャンプ前の長ーーい助走と90度掲げたおみ足がとーーっても気になるんだけど、あれはどうでもいいのかの(^^;;

変な話、章枝ちゃんが総合で恩ちゃんより上になったのは納得できるのだ。が、ワンミスリアシェンコ様とノーミス恩ちゃんが、こういう形でそんなに差があるのかと、聞きたくなったのもこれまた私の本心だったのでございます……。正直、未だにわからんよ。


「ショートプログラム」の概念を、根本的に認識しなおさないといけないかしらん??


ペアフリー。
本大会最初のメダリストが決まります。
なのだが、先の女子SPの結果の「???」が尾をひいていて、いまいち切り替えが出来ないまま競技が始まってしまった。
ひじょーに、申し訳ない……。

あれれーーーーっ。中国のディン&レン。
ウォームアップ時に跳んだスロウジャンプ……なんだか異様に滞空時間が長い。もしかして? ←ぼーーっと緊張感なく眺めていたので確定できない。

滑走順がトップだったら「見定めるわっ」と目を見開いていたと思うのだが、幸か不幸か三番目、第一グループのラスト。
そしておまけに、音楽が『ワルソー・コンチェルト』なのよう〜。
最初の2音でわかっちゃったもんね。思わず隣席の友Aちゃんの腿をばしっとはたいてしまいましたよ。いけない、いけないと思いながら、頭の中では誰かさんが……。

それは突然にきたのでやっぱり「あれれーー? 今の…」う、我が身が情けない。
ついでに折角のスクリーンでのスロー再生、はっと目を向けたら既に着地のシーンになっていた……嗚呼。私のあほー。

後に発表されたジャッジングの詳細を見ましたら、やっぱりこのとき、スロウ4回転トウ、跳んでたのね(減点もされてますが^^;)。アッサリいっちゃってなんか驚きが少なかった。
スロウジャンプでトウ系ってのが、既に珍しい気がしますが。



カナダ代表で詩子ちゃん。久し振りー!
今日観た感じでは、思い切ってペアに行ったのは良かったんじゃないかなって思った。

そしてお馴染みロシアンペアですが、ティホさん元気ないよー、どうしたー?
リフトも、まるでその場でただ持ち上げてるだけで全然滑ってないみたいに見えてしまう。
サーーーーーーっとリンクの端から端まで高速で駆け抜けて欲しいよー。ペアの醍醐味ってそれ大きいんだよー。本気で心配になってしまった。
だけどこの日、体調が悪かったのはペトロワちゃんのほうだったらしい。ううーーん。

というわけで、どうやら絶賛系の感想が多いこの日のこのお二人の演技、私は残念なことに全く逆の印象を持ってしまっているのです。ペア競技、これから大丈夫か? と………。
座席の位置関係など物理的なものに加えて、何より観る人間の心持の差が、ここまで印象を変えるものなのかと。やっぱり感想はあくまでごく個人的なものでしかないやね。


全州以来の怜奈ちゃん。
ようやく目の覚める演技に出会えたー! ミス無しとはいかなかったのだが、彼らの演技は気持ちよくて嬉しかったの。
表彰台、乗れたらよかったんだけどなぁ。今回は残念。

で。締めが。
ザゴルスカ&シュデク、なんてこったい、彼らのフリーも『ワルソー・コンチェルト』で…。

ああもう、何なんだ何なんだ何なんだああ。
これは試練か拷問か、武史応援者にとってはなんとも涙目な二日目でありました。
昨日は『Leyenda』もかかったっていうしさ。ぐっすん。
楽しもうと思ってやってきたのに、なんだか思い出してうるうるしてばっかりだ。
選手の皆さんにも本当に申し訳ないーー。


本日の競技、終了。
すっかり気分はブルー。のたのたと会場を後にして、バスに乗って。
街中のとある郷土系飲み屋さんで、武史応援団・嘆きの夕食会。<をぃ(^_^; いやでもマジで。

もちろん今日の試合の話も、ああだこうだと語ってたんだけどね。
中に、非常に観戦暦が長くお詳しい方がいらして、いろいろと興味深いお話などもたくさん聞けて、それは嬉しかった。
特に印象に残っているのが、ジャンプシークエンスだったかでパートナーが転んだとき、怜奈ちゃんが次のジャンプを跳ぶのを待ったというような、そんな話…。カップル競技は年月も含めて奥が深い。


大会後、自宅に戻ってから、「観客少なかったですね」と何人かの方からメールを頂いたのですが、自分の中では、そんな印象持ってなかったんですよ。
あれだ、課外授業の子供たちが一時期びっしり席を埋めていて、時間が来たらぞろぞろ帰っていってしまった(これも含めて会場の空気が全州ぽかったんだな/笑)、その後はぽっかり空席ができるわけで……。そか、そういうことか、な? 確かにTV放送をざっとチェックしたら、吃驚するほど空席が目立って見えた。

それから、青シート(ジャッジ側)のど真ん中、2ブロック程がまるまるすっぽり空いていて、すんごくもったいなかった。
あれはどういった人達が座るはずだった席なんでしょう?
どうせ来ないなら、自分達が座りたかったよ。端っこで我慢してたんだからぁ。


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