整氷タイム。 初日、お花やプレゼントを何も持っていかなかった私たちですが。 あのオープニングを観ちゃったらね! 目の前至近距離で登場しかも満面笑顔なんて爆弾を落とされた日には、何かこう、この気持ちを伝えなければ済まない訳なのよ(笑)。 ということで、この短い時間に手紙を書いて、帰りにプレゼントボックスに入れていこうと思い立つ。 お花やプレゼントはいろいろたくさん貰うだろうけれど、今日のこの気持ちは自分たちにしか無いものだから。 しかし、ただでさえこういったことには時間がかかる私なのに、休憩時間は極僅か。 通称「サインみたいな字」で必死に便箋一枚を埋めている私の横で、sumireさんは見事にオープニングのイラストを描き上げていたのでした。 す、すげぇ〜。プロとはこういうものですか……感服。 私ゃ緊張しちゃって、余計に文字がつらつらっと右肩上がりに繋がってしまったよ……読めるかなぁ(^_^; 休憩時間が終わる頃、照明が徐々に落ちて、また例の白アフロの人物が現れる。そして再び、ゆっくりゆっくりリンクサイドを一周。 西側ステージ脇で一旦止まり、じいいっと客席を見ている訳ですよ……やばいやばいやばい(笑)。 結局、近所の女性が舞台に引っ張り上げられていきました。結構危なかったぁ(^_^; やたらとラフな格好の白アフロ氏は、肩にかけていた白いバスタオルを女性に渡して、何かするようジェスチャーするのだけれど………。 意味が全然わかんない(^^; 振るのか? 敷くのか? 癇癪を起こす(フリをする)白アフロ氏。 結局そのままステージから抱っこでおろして客席に戻らせ、恭しく花を捧げて白アフロ氏はまた進んでいくのでありました。 そして、入退場口のところでショーの再開を宣言し、マキシムとヨーヨーの歌へ。 マキシムも、東アリーナで女性を立たせて何かしていたけど、こっちはダンスかしら? よく見えなかったの。 さて、第二部のトップを飾るのは。 ★マルガリータ・ドロビアツコ&ホビラス・バナガス 『Pirates of the Caribbean』 これ生で観たかったのー!! ああリタさん、美し過ぎるわ、凛々しいわ。バナさんかっこ良いわ。 リンクが狭いので、フェンシングシーンとかどうなるかと思ったけれど、無事にこなしていたのはさすが。 この二人が演じるプログラムからは、「愛」がヒシヒシと伝わってきます…。 堪能〜! 休憩でまったりしていたお客さんたちも、一気にアイスショーの世界に戻ってきた感じ。 そして二番手。再び登場! ★本田武史 『Leyenda』 なんとなく、ここでの新作は無い気がしていたので、レイエンダでもう大満足です。 何度観ても飽きない。大好き。 衣装は、キューバラプソディのもの。アランフェスと、ワインレッドが重なっちゃうもんね。 二日目は、絶品トリプルアクセルがパンクしてしまったのだけれど。そんなの、後半のステップで吹っ飛んでしまいました。 かっかっか、かっこいいっっっ!!! FOIから、数ヶ月かけて観てきているレイエンダだけれど、これまでで一番、最高にかっこいい!! お客さんもよくわかっていて、曲調が変わってスピンに入っているところから既に大きな手拍子(手拍子したくってうずうずするんだよね、ここ!)、サーペンタインはぐいぐいとカーブを切って、独特のステップワークが伸びる伸びる。 ストレートラインはちょうど目の前からスタート、もうキャーキャーわーわー歓声がものすごい。私が声出さなくても充分なくらいに(いや、勿論叫んでたけど!)。 それらを受けて微笑みつつ、一気にリンクを切り裂いていく後姿を見て、足元を見て、もうどうしようかと。 あれはすっかりかつての武史くんだよ! もっとすごくなってるよ! ああ、「滑り込み」って、こういうことを言うのね……。なんだか新プログラムに移行するのが勿体無く思えてきちゃった(いえいえ、そりゃ新しいのも観たいんだけれども)。 フィニッシュまで、放心状態でした。 失敗ジャンプがあちゃ〜って感じで、一瞬頭に手をやってたけど。 武史くんがお辞儀をするたびにその方向でスタンディングオベイションが沸き起こり、場内は大拍手と大歓声で包まれたのでした。 ああ、ニコニコ嬉しそうだよー。 そんな風に素で可愛いのに、実はしっかりと男らしいところが好きだ。昔から、男の子っぽい凛々しさが、武史くんのスケートの魅力だと思っていたけれど。 これでもかと直接見せ付けるような類のものではなく、涼やかにさり気なく醸し出される、男性的な部分が好きだ。そういう人が、好きだ。うん。 場内ヒートアップする中、続いては ★スルヤ・ボナリー 『Dancing fool』 リタさん&バナさん、武史くんときて、軽快なこのナンバーでは盛り上がらない筈が無い。 ボナリー自身も、TOIで観た頃よりは遥かに復調してきていて、ジャンプもバシッと決めていたし随分滑れていた感じがする。 そしてアピール度満点、バックフリップ〜。 これまた大喝采でスタンディングオベイションでした。 二日目の第二部は特にスタオベの続出で、それはお客さんものってたし出演者ものってたし、まさに相乗効果だと思った。いや〜楽しい! ★ウラジミール・ベセディン&アレクセイ・ポーリシュク ヒートアップした場内に、更に笑いの爆弾投下! 初めて観るプログラム。 最初、頭からすっぽりと真っ黒の全身タイツみたいないでたちで、蛍光グリーンのラインが入っている。そして、宇宙的な音楽の中、ゆっくりゆっくりと滑り出すは………この格好、このポーズ。もしかして。 スピードスケート!?(しかも超のろい^^;) 無表情に滑りながらも、アクロバティックな大技の連続! 一部の演技が「静」ならば、こちらは「動」だ。スケートで滑走移動しながらおっそろしいことをやっているのよう。 スピードスケートもどきでの周回をピタッと止めて、やおら脛あてをとりはずし、靴のつま先につける………って、それ、フィン!? 泳ぐのかよ!(思わずツッコミ) しかもバックかよ!!(大笑) このアイディアにはやられた。頭も、黒いフードを後ろに落とすと、真っ白の水泳帽が出てきて、あまりに間抜けで可笑しい。 ぱたぱたペンギンみたいになったりすいすい気持ちよさげに振り回されながら泳いでたり。 そしてまた音楽が変わって黒タイツを脱ぎ捨てると、今度は緩めのタンクトップ、ナンバー&名前(誰の?)入り。水泳帽の下はアフロヘア!(アフロ流行ってるの? 笑) ボールを二つ持ってきて、今度はバスケットボール。客席にボールを投げて、手でゴールポストをつくって投げ入れさせたり、頭にぼこんと当てられてひっくり返ったり、場内一体型? のパフォーマンス。ウラジミールがこんなに笑ってるの、初めて見たかも! いっつもヌボーッと無表情だったから…。 やっぱりこの二人、好きだー。今度は花束持ってくるー(こうしてキリが無くなっていく…)。 開演中にメモなどまったく取っていなかったのと、自分の記憶力を少々過信していた部分がありまして(^_^; 終演直後に必死に思い出そうとしても、このアクロバットペアとペトレンコさん、順番どっちが先だったか、まったく思い出せないのです。あいや〜。すみません、ここは曖昧なまま、雰囲気で続けさせていただきます…。どなたか正しい順番がわかりましたらお教えくださいませ〜<(_ _)> ★ビクトール・ペトレンコ 第二部もスーツ姿で、先ほどよりも更に都会的でお洒落ムードのプログラム(曲名やっぱりわかりません…)。 とにかく、何がキレイって、その足元。本当にスケーティングがきれいです。コンパルソリー時代を生きたスケーターは、やはり違う。 そして、ここ最近の彼を観た中では、一番身体が軽快そうで、ステップは小粋に、ジャンプもしっかりきっちり降りていて! 絶対降りる、というような、ギリッとした着氷の瞬間の表情もはっきりと目に捉えることが出来て。 後でつらつら友たちと語ったことは、ペトレンコさんが今でもこれだけ魅力的に滑っているのだから。 故障を持って選手を引退したとはいえ、武史くんも養生しながら魅力を更に磨いて行けば、これから先も長い間、彼のスケートを観続けることができるのではないかな、って。 そんな、福音のようなペトさまの滑りだったのでした。 ★マリナ・アニシナ&グェンダル・ペイゼラ 『Piensa en mi』 何度か観たことのある、緑のショールを互いに絡ませ合いながら滑るプログラム。真紅の衣装。 “円熟”。この一言に尽きます。 今回のショーは、このお二人の“味”を、改めて私が確認するという、幸せな再会でもありました。 リタさん&バナさんの間に流れる“愛”とはまた別のものなのよね。 堪能しました。 ★イリーナ・スルツカヤ 『You promised me』 確か昨シーズンのEXナンバー。 第一部にも増して、衣装がすごい。黒のシースルーは最近の定番とはいえ、余りに生々しくてちょっと目のやり場に困りまする(^_^; 笑顔はやっぱりキュートキュートで、客席にアピール。何故か北側がやっぱりやたらと盛り上がる〜。 ★エレナ・ベレズナヤ&アントン・シハルリジェ 『チャップリン映画メドレー』 興奮が冷め遣らぬ中、今度はアントン・チャップリン登場〜。 よれよれスーツにかばん、どたどた歩き。アントン、役者! チャップリンは本当にハマリ役だ。最初観たときビックリした。 昔のプログラムのリメイクかな、と思ったら、とんでもない! しっかりばっちり進化している。 『街の灯』から『キッド』へ。ベレズナヤちゃんがパッとドレスを脱いで、下に履いてたくし上げてたスボンの裾をおろして、やんちゃ小僧に早替り! 首根っこ掴まれてくるんくるんネコみたいに回されたりして、すんごい可愛い、可愛いとしか言いようが無い。そしてアントンは本当に役者だ! 最後はヒップホップ系のダンスまで披露して、エンディング。 ブラボー! 私、武史くんは別にして、ショーを通して一番感動したのはこのプログラムでした。 ひたすら拍手とスタンディングオベイション。 ★サーシャ・コーエン 『Dark eyes』 おーーーっ、サーシャ! 引っ張って引っ張って(?)ようやく登場。昨シーズンのSPの、EXバージョン。 オリンピックの記憶も蘇る、あのままの衣装で(このドレス、生で観るとすごく可愛い)。 最初はバレエジャンプに変えてあり、その軽々とした様と開脚の角度に場内どよめきと歓声。 脚を高々と上げるスパイラル、ラストの前方キャッチフットスピンまで、サーシャ的魅力全開。 「お人形みたい」なんて声がちらほら聞こえてきたり。 ★ステファン・ランビエール 『Fix you』 最初仮面をつけて登場する、しっとりEXナンバー、しかし仮面をはずしたら後はもう、ずーーっと笑顔笑顔笑顔! この人の圧巻は、やっぱりスピン。ラストにたっぷりと、一体何十秒間回ってるんだーーーってくらい、次々、次々、次々………。一分くらいあるよね? 初日、信じられないことに、スピンに入る瞬間にべしゃーっとすっ転んでしまい、リンクの上に腹ばいに。嘘ぅ! すぐさま起き上がってスピンに入り、大喝采。でも、どこか痛めてないよね? 気になりつつ、ひたすら拍手拍手拍手。ひゅーひゅー!! ★荒川静香 『You raise me up』 初めて観る人には、オリンピックのあの感動が、と、大感激するプログラム。 そして自分は、生で観た回数は、ざっと思い出してみても両手の指の数をとっくに越えているだろう。 久しぶりに観るこのプログラムには、しかし静かな感動がありました。 第一部のアヴェマリアでも感じたこと……。 どんどんどんどん、彼女は変わっていっているのね。 イナバウアーの大歓声の中で、随分しみじみとした心持ちになりました。 しーちゃん、ありがとう。 自然と、そんな気持ちになりました。 ★荒川静香 アンコール『トゥーランドット』 大歓声がいつまでも鳴り止まず、「アンコール! アンコール!」の合唱もどこかで起きている。 だけど、COIのショー構成は決まっているだろうし。 静岡でも、そのままフィナーレに入ったと聞いていたので、今回も同じだと思っていたら。 カーテンの間から、静香ちゃんが再び姿を現して。場内、割れんばかりの大歓声と拍手、口笛、等々、等々。 そして流れ出したのは、トリノで金メダルを獲った、あのフリーの曲。 音楽のサビの部分からイナバウアー、ステップ、そしてスピンと、最後まで滑り切ってくれたのだった。 大スタンディングオベイション。 おそらくイレギュラーなアンコールは、二日間ともしっかりやってくれた。 イレギュラーと思う理由は、初日。 しーちゃんがユー・レイズ・ミー・アップを滑り終えた後、暗闇の中フィナーレの準備をすべく、ダンサーとシンガー二人が、もう花道とステージに上っていたのです。 そこへスポットライトがリンクに向けられ、静香ちゃんの再登場。 暫く立ったままその様子を見ていた三人は、アンコールがあると知って各々待機モードに入ったのだけれど。 マキシムとヨーヨー……そのまま、花道の上に椅子(フィナーレ用の小道具)を置いて、そこにどっかり座って観始めてしまい……。あ、あのね……。視界が、完全に………。 ちらりとダンサーのアントニオの方を見ると、彼はステージから後ろに下りて、しゃがんでくれていました。でも、ヨーヨーさんにそのお願いは……ねぇ(汗)。 結局、一番盛り上がりどころのラストのコンビネーションスピン、すっかり彼らに隠されて、まったく、何も、見えなかったのでした(^_^; 気になったので、二日目も西側に視線を走らせて見たら、今度はマキシムさんもヨーヨーさんも、後ろでしゃがんでくれてたみたい。はは……。 ★フィナーレ オープニングが白ならば、フィナーレは赤と黒。 男性スケーターが椅子を引いて登場、そして生歌で『ロクサーヌのタンゴ』! ヨーヨーさんの、ドスの効いた(?)力強い声で歌われると、ものすごい迫力。 オープニングと同様男女のペアになって、よりセクシーでムーディなダンス。 ペアの男女がタンゴ風に踊る中、再び静香ちゃんが現れ、演劇のような展開が繰り広げられます。オープニングの続きの芝居。 オープニングでは、ヒロイン役のしーちゃんがアクロバットのアレクセイと連れ立って行ってしまい、ランビエールが悲嘆にくれる、というところで終わっていたけれど、エンディングでヒロインはネックレスを投げ捨て、アレクセイを放り出してランビエールと結ばれるという、そんなストーリーのようだった。アレクセイ可哀想……(^_^; 武史くんは、初日はアランフェスの衣装のままだったけれど、二日目は真っ赤なタンクトップに黒のシャツを羽織り、すっかりシチュエーションに馴染んだ格好になっていた。 あ、赤のタンクトップ……。そんな服が似合うほどかっこよくなっちゃって……。ドキドキ、おほほ。 ストーリーが終わった後は、手を繋いでウェーブやったりラインダンスやったり、ほんとに楽しそう〜。 最後は、『We are the champions』が流れ、スケーターがリンクを周回。再び花火があっただろうか? 場内ほぼ総立ちの中、照明が徐々に落ちて、彼らは幕の奥に帰っていってしまった……。 二日目。 私は見ました、一度引っ込んだスケーターたちが周回するために戻ってきたとき、サーシャ・コーエンがアクロバットのアレクセイに、ペットボトルの水を頭からぶっかけていたのを! アレは何だったのー。ビールかけ? サーシャちゃん教えて〜! うっわ寒そう〜〜とか思っちゃった。ペットボトルは通路に放り出したまんま(笑)。あ、500mlの瓶っぽかったので、そんなに量はないと思うけど……。楽屋で何かあったんかい?(笑) 更に二日目、終演の後、スケーターたちが写真を撮るべく氷上に戻ってきたときも、何故だかサーシャは随分遅れて、一人登場したのでありました。 この写真って、なんか出演者個人の記念写真っぽい? いつもの公式カメラマン氏ではなかったし、武史くんとかがカメラの説明をしたりなんかしてて(それで時間がかかって、サーシャが間に合ったのだな^^;)、和やかムードであったのだった。 はっ。ひとつは武史くんのカメラか!? DOIだったっけ、カロリーナ・コストナーが自分のカメラを持ち出して記念撮影を始めたのを思い出しちゃった。微笑ましい。 さて、終演後。 休憩時間に慌てて手紙を書いた我々は、プレゼントボックスを探して回るも、既に片付けられた後。 は、早いっ。 しかし、これは今日渡さなければ意味が無いのだ。 幸い、首からIDカードを下げた係員の方が、何事かと聞いてくれたので、手紙を託すことにする。 「確かにお預かりしました」と、丁寧に約束していただけまして。 ありがとうございます〜。 「プレゼントの箱は……」「お預かりしますよ」と言った彼の視線の先には、荷物の入った紙袋……。すみません、コレじゃなくってこっちの手紙なんです(^^; “プレゼント”とか言っちゃったもんだから(笑)。ゴメンナサイ。 しかし、果たして私の字は解読が出来たのであろうか? 未だ懸念が払拭できずにおるのです(^_^; |