第二部のスタートは、静香ちゃん自ら語る「最近のリンク事情について」のナレーションから。 そして、何かのきっかけ、経験になれば、ということで、仙台から長久保先生と一緒に名古屋に移った、少女スケーターの演技。 私、二人とも、郡山のショーで観ています。あれからすぐだったはず、移っていったのは。 まずは本郷理華ちゃん。 郡山で観たのと同じ、ハートハートハートの衣装。『キューティーハニー』! 勢いがあって気迫まで感じた。 そして中村愛音(あやね)ちゃん。 こちらは新しいプログラム、『さくら』のポップスアレンジ。衣装も着物風。 ジャンプのキレがいいのと、スピンがとってもきれい。 二人だけでなく、若い全てのスケーターたちに、良い環境が生まれてくれればいいのだけれど。 “フレンズ”後半トップは岳斗くん。 懐かしの番傘『座頭市』。 このプログラムを滑っている岳斗くんって、すっごく楽しそうなんだよね! こっちも座席で跳ねちゃう。 それにしても、これが元々は一美くんのSPとまったく同じだったなんて、どうしても信じられない。 あのストイックな座頭市とこの華やかな座頭市が……。でもどっちも好き。 演技終了後、インタビュー。 「以前は優勝しても淡々としてて全然嬉しそうに見えなかったのに、オリンピックでものすごいいい笑顔で滑っていて、人って変わるんだなぁ〜と思った」 ウケました。 あと、「武史や大輔たちアマチュア選手と一緒に滑ることができて嬉しい」っていう話も。 おおう。武史くんもこれからはこっちの世界に来ますのでよろしくです。 友加里ちゃんは『SAYURI』。 来シーズンの新しいSPだという。和傘を持って、ちょっとショー向けにアレンジ。 真っ赤な衣装は、何シーズンか前のもの、でもちゃんとしっくりきている。 すごいね。 ゾクッときちゃった。 前半のキリリと見据えるような表情、後半の艶やかな微笑み。 世界選手権から、また成長したのだね。 ラストのストレートラインが迫力! ふと、由希奈ちゃんの『ピカソダンス』のストレートラインを思い出した。 ドーナツスピンは、いつまで回ってるのーーーーってくらい、長い。速い。すごい。試合では、ここはコンビネーションになるのかな。 フィニッシュ後の挨拶の、笑顔はすっごく可愛らしい。それもこれも、全部友加里ちゃんなんだなあ。 大輔くんの二曲目は、おなじみ『ロクサーヌのタンゴ』。 と思いきや、ボーカル入りバージョンでした。ちょっとクセのある独特の男声。 衣装は本番用ではなくて、よくEXで着ていた黒のシャツとパンツというシンプルなもの。髪はオールバックに。 そして、びゅんびゅん飛ばす。飛ばしまくる。飛ばしているのに、“颯爽”ではなくて絡みつく感じ。大ちゃん独特のスケート。 トリプルアクセルまで入れてきて、おおおっと思っていたら、最後のダブルアクセルでド派手な転倒(^^; 大ちゃんは大ちゃん……。ま、今日はご愛嬌ということで、ね。 そういえば、ここまで誰も転んでない。わお。 すんません、すんませえん〜、みたいにして去っていった大ちゃん、カワイイ。 海外ゲスト、第二部はエレナ・レオノワ&アンドレ・コワルコ。 やはり事前収録のビデオが流れて、シズカはとってもおもしろいとか(おもしろい……訳し方かねぇ^^;)、チャリティショーは素晴らしい試みだとか、そういう話だっただろうか(うろ覚えです…)。 こちらもプリンス・アイスワールドと同じプログラム。 ペアはやっぱりダイナミックで、お客さん沸く沸く! ラスト近くで、男性が女性をぐるんぐるん振りまわすシーンがあるのだけれど、このときの女性の体勢が刻々と変化していて何がどうなってるのかわからなくなるのだ。とにかくすげー! って感じ。 恩ちゃん。 「ソルトレイクオリンピックの年のショートプログラムを……」のアナウンスに、ま、まさか『ドラムボーン』!? と色めきたったが、翌シーズンの『ラブ・イン・スローモーション』でした。 あ、そっか。 “年”で言ったら2002年、“オリンピックの年”なわけね。 こっちはスケート年度で頭ができているから、オリンピックといったら01-02シーズンを思うのだわ。 増して私、今の恩ちゃんで『ドラムボーン』を観たいと、切なる願いを持っているものでね……。今やったら、かっこいいぞお!! ブルーのノースリーブドレスも懐かしい。 しっとりと、空気の作り方が自然になっていて、ラブインも素敵に進化していた。 そしてインタビュー。 はるなさんが話しているのに、その最中にぽんぽんとマイクを叩いて「 入ってましたね」 大爆笑。この独特の間が恩ちゃんだあ。 トリノのときの、NHKでのゲスト解説でも思ったけれど。はるなさん、頑張らないと食われる!(笑) すっごいキャラの立ち方だぞ、恩ちゃん。 しーちゃんと自分は、「とにかく二人ともマイペースなんですよ。初めて同室になったときも、お互い、ほんとにマイペースで、最初はずっっっっっっと無口なままで」 でも今ではすっごい仲良しになりました、というコメント。 この日一番場内を爆笑させたインタビューだった。あははー。 そして最後を飾るお友達。 「2003年、世界選手権で銅メダルをとったときのショートプログラム」 って、えっ、えっっ、えっっっ!!??? 頭の理解が曲に遅れた。 イントロのワンフレーズが耳に届いた瞬間、「ひええええええーーーー!!!」 なんだか文字にするとミもフタも無いが、とにかく表記不能の声(というより音)が喉から発されていたのだ。 『レイエンダ』!!! 忘れもしない、深いワインレッドのドレスシャツ、ベルベット様の細身のパンツ。 まったく予測の範囲外! こんな嬉しい驚きが現実にあっていいものなのか。 言い訳をさせてもらえるなら、てっきり『アランフェス』かなぁ、という思い込みがあったのと。 期せずして同時多方向から上がった奇声の数は、同じ反応をしたスケートファンが決して少なくない、ということを物語っているのではないかと(^_^; やってくれるぜ。もう、夢みたいだよ。 リンクは狭いし数年前のプログラムだし、細かい振りが無いとか動きが省略されているとか頭ではいちいち把握してしまうけれどそんなことはどうでもいい! 試合みたいに手をぎゅっと握り締めて見つめたジャンプもバシーーーーッと決まって。 ひゅー、かっこいい。やっぱり武史のジャンプは男前! 大歓声が嬉しい。 サーペンタインステップでは身を乗り出さんほどの状態で。頭の中で一緒にバイオリンが鳴ってるみたい。 一方で、うっ、リンクが短いから、ステップの終わりのぐるんぐるんっていうのがぐるん、で止まってしまったーとか、おバカな表現が次々出てくるけど。 とにかく理屈抜きで、どうしようもなくとんでもなくめっちゃくちゃかっこいいっ!! ラストのストレートラインステップは、リンクの対角線をいっぱいいっぱいに使って。 最近主流の蛇行するストレートラインではない、まっすぐ駆け抜けるストレートラインだから、距離が絶対必要なのだ。 斜めの角で溜めて溜めて。 一気にリンクを切り裂いていった姿は、背中しか見えなくなっても、ものすごい気迫とオーラをビシビシと発しているようだった。 どこまで行くんだ、と天井が見えなかった、あのシーズンを思い出した。 後ろのお客さんごめんなさい、立ちます! 武史くん、「ありがとう!!」 今日、このプログラムを滑ってくれて。 自分が勝手に考えたことを書くのを許してもらえるならば。 武史くんにとって、もう一度『レイエンダ』を観衆の前で滑るというのは、ある意味ものすごい勇気の要ることではなかったかと。 いや、本人は意外とそんな大仰なこと考えもせず、これがいいかもって自然に選んだのかもしれないけど(笑)。 あの頃の、超絶演技を知っている人は多い。状況がすっかり変わったとはいえ、どうしたって比べてしまうかもしれない。 でも、そこを突き抜けたんだな。って。 もしくは、今の自分の、自信と決心の表れかもしれない。 いやー、だってあれだけお客さんを惹き込んでしまうんだもの。 そしてなんだか、大人の滑りだったなーと、思った。 今思えば瑞々しい若さいっぱいだったレイエンダと、円熟した味のある大人のレイエンダ。 どちらも、大好き! 飛び立っていった魂を何とか引き寄せつつ、いよいよ大トリ、静香ちゃん。 ゴールドのまばゆい衣装で、新EXは『アヴェ・マリア』。 オリンピックの金メダル、っていうのはものすごいもんなんだなあ、と、半ばぼーーっとしながら考える。 あれからしーちゃん、またぐっと成長して、輝きが増したように見えるもの。はっきりと、堂々としていて。清々しく凛々しい。 新技新技、とマスコミは煩いが、そんな即物的なことより、もっとずっと、大きなもの、身につけていっていると思うのにね。 大喝采と歓声の中、はるなさんが上着とマイクを持ってきて。 ここでしーちゃんの挨拶。初めてショーを手がけるに当たってのことなど。 そして「私から皆さんにお願いがあります」 それは、お世話になったコーチの方々に、自分から花束を贈りたいということ。 しーちゃんが話している間に、南側に表彰式みたいな赤じゅうたんが敷かれていたが、そういうことか! 長久保先生、染谷先生、佐野先生、阿部先生、久美子先生。ずっと客席でご覧になっていたのね。 お一人お一人に、静香ちゃんがお礼の言葉を述べて花束を渡す。 いいシーンだな。そして、とっても静香ちゃんらしい。 それから、チャリティとしての寄付金の目録を、日本スケート連盟会長代行・林氏に手渡す。 お願いしますよ! そして、「最後まで楽しんでください! フィナーレです!」 照明が再びショー仕様に変わり、出演者が次々に登場。 女性陣一斉のスパイラル、男性陣揃っての変形イーグル。 静香ちゃんも混じってきっちりとアンサンブル、まさに“アイスショーのフィナーレ”。 練習時間は殆ど無かったはずなのに。みんなすごい! ちょっとくだけたダンサブルな振り付けをしたのは、宮本けんちゃんじゃないかな? 特に“フレンズ”のメンバーが背中合わせで二列に並び、ぐいっと一斉にひょうたん滑りで前に出て空けた“花道”を、しーちゃんがイナバウアーでまっすぐ通り抜けていったのは! かっこいいかっこいいかっこいいっ、と暫く黙っていられなかった私であります。 岳斗くん恩ちゃん武史くんが、男子高校生のように肩を組んで左右にぶんぶん揺れておるのも、彼ららしくてよい〜。 最後には、皆が揃いのジャンパーを着て出てきて、シンクロみたいに手を繋いだ大車輪。一部スパイラル(笑。何故笑うかというと、男子スケーターも混じっていたから)。 ぐるぐる回って仕舞いにふっ飛ばされたり。皆が心底楽しそう。 カーテンの前で円陣を組んで、「オオーーーッ!!」と掛け声。 きっと一番最初に裏でやってたのと同じ。もちろん、アプトもエレナ&アンドレも一緒に。 ああ、いいなぁ!! 静香ちゃんの呼びかけに、手弁当で集まった仲間たち。なんだかそんな感じ。 一夜限りの、ものすごい贅沢。 来年も、再来年も、ずっとずっと続いて欲しい!! フィナーレの後は、花束を受け取りに、出演者たちはぐるっと周回してくれたのだけれど。 武史くんも岳斗くんも、どうやらさっさと周って行っちゃって〜。 リンクサイドまで行くのに手間取ったら、ちょうど武史くんが引っ込んでしまうところだった。 もう一度出てきてくれないかなー。出てこないなー(笑)。そりゃ主役はしーちゃんだけどさー。 仕方が無い、花束は出口で預けて行こう。 頑張って帰宅する、やや遠方組と別れ、今夜も一泊のsumireさんと軽くゴハン。 二人ともメロメロで、何を話したか、あんまり覚えてない(笑)。 でもほとんど武史くんのことだ。間違いない(^o^) ジャパンオープンも、俄然楽しみになってきましたよ。 今日、どうしても来られなかった友(涙)から、「武史くん、体型大丈夫だった?」とメールが……あはは。 気になるよね。うんうん。 皆が口々に「体型バッチリ! かっこよかった!」と答えるのに、私は一人で「ぱつぱつ感は薄れた。顎のラインも出てきてた」と妙にシビアな、聞きようによっては酷い答えを返してしまい(^_^; えーんえーん、武史くんごめんよお。 だってさ! 超絶的にスタイルの良かった姿を、はっきりくっきり覚えているんだもん。 今だってかっこいいと思ってるよ、でも武史くんについては、私の理想はどうしても高いらしい!(笑) しかし今思えば、「“かなり”薄れた」って書いてもよかったな。やっぱりゴメンナサイ。 だけど、無理やり落としてまたリバウンドしたら身体に悪いし、嫌だから。ゆっくり確実に、自然な速度で落としてくれたらいいなぁ〜なんてね。 足の負担もきっと軽減されるし、身体捌きもどんどん戻っていったら、もうもう、言うことはありません〜。 って、何の話をしているんだか。 どんな武史くんでも、大好きよ(最後はそれかい^^;)。 後一週間も経たないうちに、また武史くんに会える。 なんて幸せ。 次はすごく大きな会場だから、一体全体どんな風に観えるのかまったく予想ができないけれど。 楽しみなのは間違いない。 |