オープニングに登場したエアリアルの青年(デビッド・サンチェス)が、今度はフープに絡まっての空中演技。
登退場時は、お人形という設定なのかフープを背負ってぴくりとも動かず、アンサンブルの男性に引っ張られたり押されたり。
ハタキでぱたぱたされるシーンで笑いが起きていた。女性たちもお掃除お掃除。
それしてにもシーン設定がよくわからないままだ。

☆ボナリー/

何故か17日は二部で滑りませんでした。なんで?
力強い曲で、衣装もダークカラーできらきらきら。
バックフリップは入れないはずがありません!


☆アニシナ&ペイゼラ/

ステージに座ったアニシナがカードをめくり、それをアントニオが手にとってパフォーマンス。
衣装とカードを見た瞬間、「あのフラメンコだ!」と。ソルトレイクシーズンの、ODのアレンジ。
グェンはまたしても東側客席から登場。好きなの?(笑)

評判の高いプログラムなのだけれど、やはりあの現役時代の火花散るような苛烈さを鮮明にまだ覚えているので、随分雰囲気が丸くなっちゃったなぁと、どうしても物足りなさを感じてしまうのだった。


☆ペトレンコ/

西部劇のカウボーイみたい。
のったりのったりと馬に乗っている様子の表現が、雰囲気バッチリで上手いなぁ〜。
途中で曲がアップテンポに変わり(あーこれ、ISUのビデオで使われてる曲じゃんか!)、カッコつけるカウボーイにカンカン嬢たちがキャーキャー黄色い声援を!

ほんと、硬軟緩急織り交ぜて幅広い魅せ方のできるスケーターです。素晴らしい。


☆ミニック&ミニック/

アクロバットペア再び登場。
マフィアみたいなスーツで、最初に女性のバレリアが男性のビクトールにタバコに火をつけさせ、フーーーッと煙を吐き出して……この時点で嫌だなぁと、思ってしまった……。
火のついたタバコを持ったまま数々のアクロバット、確かにすごいんだけど、リンクの上でタバコ……嫌だ。これはもう理屈でなく感覚なので、どうしようもない。子供も大勢見ているしさ。

ラスト、ビクトールのズボンをバレリアがばっと引っ張って脱がせると、大きく「禁煙」マークが描かれた布を腰に巻きつけていて、それでオチがつく、という展開なのだけど、やっぱりあまり納得できず好きになれないプログラムでありました。

まあ多分、本物の「タバコ」ではないと思うんだけどね。灰も落としてなかったし。
演技後の挨拶で、ビクトールが両手でばってんマーク「×」を作っていたのがカワイかった。


☆ウィアー/

挿し色は違うけれど一部で着ていたものと実によく似た衣装で、更にプログラムも似たようなしっとり系で。
氷に伏して始まるのはこちらの方だったかしら? それとも一部の方? ダメだ完全に混同しちゃってる。
えーと何が言いたいかというと、この劣悪な観覧席では氷上に寝そべるとまったく見えない、ということなんですな(^_^;


☆イノウエ&ボルドウィン/

怜奈ちゃんの衣装の色が素敵。ブルー? ラベンダー?
ジョンはシンプルな黒。
そしてこれまたしっとり系のプログラム。雰囲気があって似合うけれど、違う系統のも観たかったな。


さて、暗転して、登場したスケーターのシルエットはわかるけれど、なかなか明るくならない。と思っていると、アナウンスが入る。

「ブリティッシュ・エアウェイズのミスにより、スーツケースが行方不明となり、未だに届いていません」
なにーーー!!!
そんな不運なスケーターは、ステファン・ランビエール。あれ、いつかもどこかでロストバゲッジにあってなかった?

「一時は出演も危ぶまれましたが、ぜひ新潟の皆さんの前で滑りたいということで、今身につけているものは全て借り物です。・・・慣れない靴のため、ウォームアップの時間を長く取っています」
靴はペトレンコの、衣装のベストはグェンダルの、パンツとメイク道具は振り付けのアントニオさんの、オープニングで履いた靴はスタッフの予備で2サイズも小さいもの!
「靴下は毎日洗って履き、コロンは日本のファンからプレゼントされた自分のものを使っています」 それは洒落たオチなんでしょうか(^^;

ステファン、準備はいいかい? とナレーターが声をかけ、ランビエールがOKと答えてようやく場内が明るくなる。

☆ステファン・ランビエール/『フラメンコ』

素肌にベストのみという、生腕むき出しの姿で踊るフラメンコはとても情熱的で、先の事情も手伝って場内は最高潮の盛り上がり。
私はというと、その世界に浸りながらも「ペトさまとランビって靴のサイズ同じなんだ……それとも一番近かったのかな。ああでもアイスダンサーの靴はブレードが違うし武史くんのじゃ小さいだろうしなぁ」なんて埒も無いことを考えていたりしたのだった(笑)。

他人の靴は滑りづらいだろうし、また他人に自分の靴を履かれるのも、あまり喜ばしいことではないだろう。スケーターの命ともいえるスケート靴なのだから。
ランビよく頑張った、ペトさまも本当にありがとう。

さてこのスーツケース、翌17日の朝4時に無事到着したとのことで!
千秋楽はようやく自分の衣装、自分の靴で。
そりゃあ嬉しそうに、生き生きと氷上を駆けるランビエールでありました。
良かったねえ!

そして予想通り、「昨日このことを知ったファンの皆さんから沢山の生活用品をプレゼントしていただき、大変感謝しています」というメッセージが。
はは、やっぱりね。考えるに、一番多かったのは靴下と下着だと思うよ(^_^; 多分ね。


☆デンコワ&スタビスキー/

ピンク色の大きなボールを使って、幻想的なプログラム。
ボールが手に吸い付いているみたい?! マキシムのボール使いがとても不思議で目が離せなかった。
衣装はこれまた見覚えがあって、世界選手権のEXで着てたものかな。


☆高橋大輔/

新EXプログラム初披露で、正直ホッとした私。
いやごめん、でもロクサーヌはホントお腹一杯、競技も入れたらもう何十回観たか数えられないくらいに観ているので(笑)。
ディープファンであれば、何百回観ようが飽きることは無いのであろうが…(武史くんのはそうだもん^^;)。

細身の黒い衣装で、アクセントといえば襟に赤い線が入っているくらいのごくごくシンプルなもの。
ボーカル入りの曲で、やっぱり顔は撫でるんだけど(笑)振り付けの雰囲気が何か違う。
ロクサーヌ路線から変わったような変わらないような、なんとも位置づけの難しいプログラムに感じた。何回か観ないと掴めないかも。
濃さは薄まっているけどそれはまだ滑り始めたばかりだから? これからまたどんどん濃くなるのでありましょうか。うむむー。


☆荒川静香/

2曲目は何かと思ったら新プログラムだった!
ボーカル入り。衣装は以前も着ていた、ベアトップに見えるブルーから白へのグラデーション。
これもまた何度か観ないとわからないなー。
静香ちゃんは、しっとり系より力強いプログラムの方が似合うと思うので、その意味ではよいかもしれない。
これから、これからですね。


★フィナーレ
オープニングがそうなら、エンディングも去年と同じでしょう。
出演者たちが黒と赤の衣装で、椅子に座って始まるロクサーヌのタンゴ。
ヨーヨーさんの、お腹に響く歌声がかっこいい。
ただ、役柄的に武史くんがこのタンゴに加わっていないのが寂しいわ。去年は実にストイックな雰囲気で決まってんだよなー。

静香ちゃんと腕を組んで現れた武史くん。
プレゼントした首飾りを投げ返されるシーンは、やや西側を向いているので千秋楽でようやく表情がわかった。
おおお、ちゃんと演技している! いいよいいよ雰囲気出てるよ!(^o^)

この辺りの演出は去年より短めに編集されていて、一気にしーちゃんとランビのスピンへ。
捨てられた武史くんはというと大輔くんの隣に入ってバックダンスに溶け込んでいる。
ちなみに衣装はRapsodia Cubanaの。武史くんの便利衣装その2(その1はブルーのグラデーション。マジック衣装とも呼ぶ)。

大音量でタンゴが終わると、明るい曲に変わってフィナーレへ。 曲調が一気に変わってアップテンポでノリノリに。
スケーターがずらりと手を繋ぎ合ってのブレイクダンスや、フレンチカンカンでラインダンス!
みんなニッコニコの笑顔で客席に向かって来るんだよー。

そしてペトさまと武史くんがヨシッと頷きあって先陣を切って助走、サイドバイサイドのダブルアクセル! そしてバタフライ!!
タイミングピッタリ!!!

も、ものすごい贅沢なものを見た……。完璧なユニゾンだった。ペトさまと武史くんが〜(わかったから^^;)。

その後もジャンプ合戦は続きペアチームはリフトで殆どお祭り状態。
ラスト、何度も何度も周回してくれて、アイスショーは幕を閉じたのでした。


今回、ブロックによって、客席の雰囲気が全然違ったみたいです。
おとなしかったとか静かだったとかいう声も聞き、えーー私の周囲は3回とも大賑わいでノリノリだっだぞーと。
アリーナとスタンドで違ったかもしれないし(スタンドはリンクが遠そうだった)、どこでチケットを購入したかにもよるのかなあ。
旗持ち添乗員さん付きのツアーも見かけた。

千秋楽はやはり一番盛り上がって、スタンディングオベイションもそこかしこで起きていて、それは素晴らしいことだしスケーターにとっても嬉しいことだと思うけれど、状況によって配慮は必要だ、とも思ったのでした。

何しろ「最前列以外はリンクが非常に見辛い。ヘタすると見えない」という、前代未聞の劣悪な観客席でありましたので。
そんな席をつくった側が、ホントは一番悪いんだけどねっ!
アリーナ席で盛り上げるのは義務であると思ってもいる私ではありますが、しかしそれでも、少し後ろの方への思いやりを持ってはもらえないかと、願ったシーンが何回か。
(前述もしましたが、スタンド席の状況はわかりません。あくまで今回私が座った周辺のアリーナ席の話)

おじいちゃんおばあちゃんが、立ってる人の間から、なんとか出演者が見えないものかと頭を左右に振っている姿は、後ろから見ていていたたまれない。
立つのが悪いんじゃないんだ、私だって立ちたくなることもある、ただせめてスケーターが違う側に向いたら座ってあげてくれないかなぁ、挨拶の間中、引っ込むまで立っていられては完全に見えないもんなぁ…。

ショー慣れしている観客ばかりではない地方の公演で、地元の年配客もそれなりに多かったわけで、そういうときには、当然の権利とばかりに自分の気持ちのままに行動するだけではいけないんじゃないだろうか、と。
譲り合いや思いやりの精神も、遺憾なく発揮しつつ、ショーを盛り上げていけたらよいなと、つくづく思ったことでありました。

本当に、難しいよね。
スタンディンクオベイションという文化が、全国区で浸透しているわけじゃない。スケートファンの間だって人数が増えたのはここ数年だもの。

そうそう、フラッシュがまったく無かった!(少なくとも私は気が付かなかった)
入り口で「カメラ持ってませんね?」とは聞かれたけれどカバンを開けてチェックするわけではなく、こっそり撮影している不届き者はいたかもしれないが、あのイライラするフラッシュの点在が無いだけで、ストレスのたまり具合が全然違うもの。


スケーターたちの演技は本当に素晴らしかったし、良いものを観させていただきました!
あちこちでアイスショーが定着していったらいいなぁ。

チケット代だけはこれ以上高騰しないことを祈りつつ(切実)。

来週は、別府公演です。


背景は「トリ小屋」様から頂きました。
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