第二部。
キンコンカンコンと鐘が鳴って、スクリーンに映しだされたのは、いきなり、武史くん!
またしてもトップですか、ちょっと待って心の準備が。

日本男子を支えた牽引者。うんうん。
コーチとしても高橋大輔や織田信成を育てた手腕が光ります! え。育てた・・・そだてた・・・そだてた・・・・や、それはさすがにちょっとおもはゆい。
このキャッチコピーを書いているのはどなたなんでございましょー?

☆本田武史/『ゴッドファーザー 愛のテーマ』

しゅっと照明に浮かび上がるは、白のドレスシャツに黒のスーツ。
ゴッドファーザーとはまったく想像外でした。しかもスカパラ!!
これだけアップテンポなのは久しぶり。そろそろ観たかったんだよ〜。
これみよがしに踊りまくるわけじゃないけど、曲のツボをがっちり掴んで表現するのがホント上手いんだよなあ。

観ながら思った。これ絶対、モロゾフ振り付けじゃない。そもそも選曲からしてあり得ない。
宮本賢ちゃんか? そうじゃないか? 端々のセンスがそんな感じするよー。
武史組の感覚は、後に正しいと証明されました(^o^)
賢ちゃんありがとう!

ひたすら挑戦する3A。これは武史くんの矜持だと思う。絶対、譲れないところ。

怪我で氷に乗れなくて、自分の練習はなかなかできなくて。
それでもお茶を濁さず、プログラムからははずさない。
なんだか、4回転に挑戦して挑戦して挑戦して、何度も転んできた頃を思い出した。あの頃、何歳だったと思う?

ガンバレ、武史くん。
武史くんのトリプルアクセル、大好きだから。もう、決まったら絶品だから!

振り付けは洒落てるしステップはかっこいいし、だから武史くん、もうちょっと軽快になろう、軽くなろうよ!(^o^;
試合をひたすら追いかけ続けるのとは違って、ショーはいつでも大抵のお客さんとは一期一会。
そのとき観たものがすべて。
うちらみたいに、何度も何度も通うなんて、その方が余程の少数派なのだ、こっちのほうがある意味普通じゃないのだ。

だから、ガンバレ武しゃん!
何を言いたいのかよくわからなくなってきましたが(笑)。

このプログラム大好き、もっともっとかっこよくなるよ! って。
凛々しくて清々しくて、貫禄まで出てきてて、だからもっとお客さんに雰囲気発散して〜!

あの位置に座った方には、武史くんが投げキッスしてくれます。そちら側の方には笑顔でタカタカ迫ってきます!
ステップからの流れで二回連続で脚を蹴り上げるところがかっこいい。座るならそこでもいい!

若干壊れ気味な二部のスタート(笑)。


★スケーターズ学園

もちろん学校もあります、力を入れているのはスケートです。
ホント何でもありだなぁ……。
まずは生徒たち、全員集合!

で、『学園天国』。
キョンキョン版じゃなくってフィンガーファイブという辺りがプリンスらしいというか、良いですわ(よいのか)。

楽しい体育祭。チアガールの応援は『Mickey』
青組と黄色組?
ここは新海&松橋のスピード組真骨頂!
毎回毎回、新技を考案してくるのは素晴らしいです。平均台すげ〜。

更にお楽しみは学園祭。スペシャルショータイムは、
「1年B組、すずきせいいちくんとたなかそうしくん」! きゃーっ! ひゅーひゅー!

よくぞやってくれました。
昨年の青春アミーゴはチーム内アンサンブルの中でだったけど、これはまるっきり二人のコンビで。滑れる、跳べる二人を起用してくれたことが嬉しい。
まあこのユニゾンが素晴らしいったら!

時間差でアクセルを跳ぶシーンがあるのだけれど、最初誠一くんが2A、そーしくんが3Aだったところ、後半に入ったらせいちゃんも3Aにしてきた! うわーーっ!!
せいちゃんのトリプルアクセルなんて、何年ぶりだろう!?
まだ跳べるんだ、跳べるようにもってきたんだ。どれだけ練習したんだろう。すごすぎる、そして贅沢すぎる!
クリーンに決まったのは2、3回だったけど、プログラムに入れられるまでにしたというのがすごい。
高さのあるトリプルアクセルの連続って、圧巻よ!

更にサイドバイサイドの3T! 並んでまっすぐ正面に滑ってきてすぐそこで同時に跳ぶんですから。
フィニッシュに入るバタフライまでタイミングばっちりピッタリで、ブラボー!

ここで真ッピンクの蛍光衣装(制服!笑)のじゅんじゅんがマイク持って登場、「せいちゃーん、かっこいいー! そーし、そーし! 二人に、拍手〜!」
二人とも左右にはけるとき、じゅんじゅんにタッチしたり、そーしなんか一度手の甲にキスしてましたぜぃ(^o^) じゅんじゅんバッタリ。

ここから学園祭最終日、学園一のアイドル「アツシ」をめぐって、じゅんことタカヨの熱くハゲシイ争奪戦。
金髪見せブラ見せ腹のタカヨさんは、薄田隆哉さんでっす!

トークシーンは毎日ほぼアドリブ? 毎回毎回違うの。
じゅんじゅんの男前っぷりと、薄田さんの役者っぷりと、大島さんの有り余る華が堪能できる楽しいプログラムでした(^^)


☆中野友加里/『シルクドソレイユ』より

新プログラムの完成度!
いったいいつ作ったの、そしてどれ程練習したの!? だって世界選手権に出ていたのに。
ビックリした。完成しすぎていて怖いくらい。
最初、来シーズンのSPかなと思ったんだけど、どうやらEX用っぽい。
斬新で力強くて、このプログラム好きだな。
これも宮本賢ちゃん振り付けだそうで。賢ちゃん引っ張りだこだなぁ、人気だなぁ。


★ダンスホール

「この街の人たちは皆ダンスが大好き」
だからホントに展開が強引だって………。
ロック、タンゴ、ワルツ。
タンゴはもっと力強さが欲しいなあ。今のままだと弱い。
ワルツはせいちゃんのぴんと伸びたフリーレッグのきれいさが心地よく〜。

ロックのパートで最終日、バタフライのところをそーしくんがトリプル跳んでた……そんなに跳びたいか、そんなに体力が有り余っているのか、総司よ(^^;


☆織田信成/『ニュー・シネマ・パラダイス』

イントロと衣装だけで、ひゅっと息を漏らしてしまった。
なんてなんて懐かしい。
まさかこれをもう一度生で観られるとは、しかも今の織田くんで。

この曲を聴くと真っ先に思い出すのは岡谷だ。
ジュニアグランプリシリーズSBC杯、確か熱があったんだよね…。で、ジャンプ全部降りて、お辞儀しながら泣き出しちゃって、キスクラでもずっと泣いてたんだよね。
フリーで三位が確定して、満面笑顔の次の瞬間、タイガースタオルに顔をうずめた。
武史くんが大怪我をしてしまったこのシーズン、ニューシネマ観たさに全関西まで足を運んだんだった(「ぜ、全関やで?」とか「なんでここにいるんですか」とか言われつつ^^;)。
織田くんに「エレガント」という言葉を使うようになるなんてと当時思ったものだが、このプログラムはその言葉がピッタリなんだ。

一瞬、来シーズン手直しして使うのかと思ったが、シニアで複数年経ち、これから巻き返しを図ろうという選手がジュニア時代のSPを使い直すなんてあり得ない(そんなことされたら、見る目が変わってしまうよ)。
真意は本人のみぞ知るだけれど、「あの頃を、初心を思い出す」という意味であえてエキシビション用に持ってきたのかもしれない、というのが一番しっくりくる解釈かな、自分には。もしくは新EX練習している時間が勿体無い(試合用のを練習したい)とか。


☆村主章枝/『Cell Block Tango』

うおお章枝ちゃん、かっこいい!
ホント何なんですかこの時期でこの完成度は……。
かなりセクシーで際どい衣装と振り付けなんだけど、章枝ちゃんだから許される。
美姫ちゃんや静香ちゃんだったらシャレになりませんて。

そして衣装が、同じデザインで少なくとも3パターンあるのを確認。
ボディ部分は真っ赤で、胸の下とスカート部分のフリンジが、どちらも赤、どちらも黒、スカートだけ黒。
もしかしたらそこだけ取り外しできるようになってるのかなぁ。一番映える組み合わせを模索中とか?


★スケーターズ・ドリームタウンの情景

スクリーンに切り絵風の画が映し出され、四季の情景を演じます。
まずは最初の「春」が、「春」が、せいちゃんのソロ!
全身白ずくめのいでたちで、白いコートに白い帽子、白いトランク。
派手なジャンプは無いのだけれど、ぎゅいぎゅい滑るディープエッジとさり気なく凝った技。
スケートの真髄を堪能できる一幕です。うっとり〜。音楽は旅立ちを思わせる歌詞。

「夏」
『夏祭り』でアンサンブル。次々跳ぶジャンプを炸裂音に被せて、花火に見立ててあるのね。
跳ぶのは男性陣の役割だったけど、その中に恩ちゃんが混じってピンでダブルアクセル跳んでるところがミソ。
ラストも恩ちゃんが中央でスピン、どどーんと花火の爆発にスポットライトがぐいっと天井を向くのが好きな演出。花火好きだから……。

でねでねっ。
この時、整氷車の出入り口にいつも出てきて、振りを真似して実に楽しげに踊っているT.H.さんの姿があったわけですよ! そりゃもう毎回(^o^)
ときに隣にはN.O.さんもいて二人並んで踊ってまして、ロシアンのパパママが子供ちゃんを肩車してやっぱりノリノリでいるのですよ!
それを知ってからは、毎回毎回そっち方面に目が行ってしまって、片目でT.H.さんを追い片目で氷上を見るという事態に……(笑)。

しかしどうせ『夏祭り』使うんだったら、ジッタリンジン版のほうが嬉しかったなあ。原典に近く、がプリンスって感じがするんだけどね。
曲調というか、歌い方の問題だろうか。確かに投げやりっぽい歌い方ではあったが…。

「秋」
『小さい秋見つけた』、女性陣が鈴を持って。
小品だけど雰囲気があってきれいだった。

「冬」、そして「愛」。
じゅんじゅんのソロに大島さんが加わって、ペアスケーティング。
プリンスチームが全員出てきて、衣装が全員真っ白で。
チームの振り付けは正直、もうちょいなんとかならんかったかと思わぬでもないのだが(^^; 演出構成は素敵だと思ったし、「愛」での『天までとどけ』は、イメージピッタリだった。
しかし、じゅんじゅんの華に見合って負けない男性はやっぱり大島さんですね〜。


☆荒川静香/『It's a Beautiful Day』

ソロのトリ、しーちゃんの演技は『ある晴れた日に』をテーマにしたエキゾティックなアレンジ。
試合用プログラムに蝶々夫人使ったこともあるから、そこからの膨らませというか、発展系のような、イメージつくりやすかったかな。
長〜〜い布を両手に持ってなびかせ(数メートルある布がまったく氷につかない!)、衣装にも仕掛けがあって天女の羽衣みたい。
しかし何度も何度も言っちゃうけど、しーちゃんがこんなに客席に向かって微笑み、煽るような鼓舞するようなスケートをするとは……。外に発散し収斂するパワーがすごい。
そしてサビの部分をつい一緒に歌ってしまう…。


★未来への道

「スケートと皆さんとの架け橋になれますように」
フィナーレへ続くラストナンバーはプリンスチームのシンクロ。
『栄光の架け橋』女声ボーカル版。
この曲なんだっけなんだっけと頭をひねり、あまりにも有名なあのサビのフレーズまできてやっと「ああ!」と膝を打つ、という感じ(笑)。
数年前に遡れば、チームメンバーでのシンクロなんて考えもつかなかったんだから、随分変化してきているとは思うんだ。良いほうに向かって。

そしてチームメンバーたちの紹介。
そーしくんはここでもジャンプ、千秋楽は直樹くんもジャンプしてた!


続いてソロスケーター、ゲストスケーターたちの紹介。
武史くんはずっとバタフライで通していたけど、身体が戻ってきたら、きっとジャンプ跳びたいに違いない(笑)。

大輔くんはしきりにセカンドにループを持ってこようとしては失敗(^^;
織田くん、試しにここで4の練習してみては? とも思うんだけど余計なお世話だね、それは。

この後、いったん全員下がってから、改めて花束タイムの周回に。
照れ屋さん武史くんはさらさら〜っと引っ込みがちになるのを頑張って止めるのです!
段々、使命みたいな気分になってきてた(笑)。

でもね、武史くんは呼べばちゃんと止まってくれるよ。大丈夫です。
日程後半には花束もプレゼントもたくさん抱えていて、そういう姿もなんだか嬉しい。
この先プリンスのショーに行かれる皆さま、喉の調子を整えて、一世一代の美声・音量で叫ぶこと!(^o^)

サーーーーーッと誰よりも早く風のようにいなくなってしまうのは織田くん。
日程前半では、ちゃんと止まってくれて、お花も渡せて握手もしてくれたし、写真をお願いしたらポーズまでとってくれてたんだけど…(友がお願いしたら、めちゃめちゃ可愛らしいかっこで撮らせてくれた。「戦利品〜♪これ貰ったー♪」みたいな^^)。

最終日、お昼ご飯を食べるために入ったお店に偶然織田くんと織田先生がいらして、こんにちは〜とご挨拶して、ニューシネマが好きだったのでまた観られて嬉しいと伝え、フィナーレでもう少しゆっくり回ってもらえないかとお願いはしてみたのだけれど……。何か事情があるのかな。千秋楽はどうだったんだろ。
(こちとら楽日は力のほぼ90パーセントを武史くんにロックオンしてたのでわからんのです…)

さてその千秋楽。
フィナーレの後、いつものように出演者たちが出てくるのを待っていたら、幕が開いてまず武史くんが助走! 間近で3T〜。続いてしーちゃんが3T。
後は次々と、恩ちゃん友加里ちゃん大輔くん織田くん、そーしくんコンボ、せいちゃんも一回くらい加わったかなぁ?
薄田さんバックフリップ〜♪効果音付き!

一通り終わったと思ったら、またしても武史くんが先陣を切って助走〜しーちゃんが続く! なんて贅沢なサプライズジャンプ合戦!
こちらはフェンス前でしゃがんで待機の状態だったので、必然的に下から見上げることとなり、その迫力たるやすごかった!
そーしくんのコンボはフェンスギリギリで、エッジで頭殴られるかと(^^; 氷屑が飛んできました。

せいいちくんにもお花を渡して言葉も交わせたし、他にも大好きなスケーターさんたちに激励もできたし、何より武史くんには千秋楽恒例のしゅわしゅわ泡アワを贈ってにっこり、だったし、非常に楽しい数日間の締めでありました。

そして、リンクを一周して下がるとき、最後に深々とリンクに一礼するその佇まいが。
そんな武史くんに贈られる穏やかな拍手が。

ああ、本当に彼は長い間ずっとフィギュアスケートの世界にいて、現在も確かにその中にいて。今の華やかな騒ぎの渦中からは少し離れたところに立っているのかもしれないけれど。
スケートに対する、静かだけれど強い、真摯な思い。
そしてそれは、多くの人々の心に残る、スケートファンはずっと覚えている。
今、彼がここにいてくれることの意味を。きっと。
あの、最後の全日本の演技を終えたとき、雨のように降り注いだ花束のシャワーを、ほぼ総立ちではないかと思うほどのスタンディングオベイションで見送った光景を。
思い出していた。



そして思うことあれこれ。
今回、エキサイティングシートならびにSS席には「オリジナルブランケット」なるものがついていて、「プレゼントです〜」と入り口で配られたのだが。
えーと。

これ、この一年で一体何枚たまることになるんでしょーか(^_^;
こんなん貰うより、少しでもチケット安くして欲しかった……。このところの値上げぶり、尋常じゃないペースなんだもの。
防寒具は準備していけばいいし困った人用にはレンタルやカイロの販売などがあればそれでいいと思うんだけど。
欲しい人用にはグッズコーナーで販売するとして。

なんだかさあ、リピーターを全然大事にしてない……よね…。

一番の見せどころで盛り上げ隊がいるべき席にずらりとご招待のオジサマたちじゃあ、盛り上がりもしないって…。
そこには、はしゃぎどころを心得ていてきゃーきゃーわーわー盛り上げてくれる昔からのファンたちを配置すべきだと思うぞ、絶対に!
(自分をそこに、と言っているのではない。本当にずっと通って支えていた人たちを、少なからず知っているから)

「時には茨の道もあった」とじゅんじゅんに言わせるくらいなら、その頃からひたすら通って地道に支え続けたファンをないがしろにするようなことは、いずれ己の首を絞めることになると思うんだけどねえ。
お金が取れる時に搾り取れるだけ搾り取って、ブームが去ったらちょん、お終い。ってことにならないよう、切に祈るばかりです。
アンケートにも、お願いだからこれ以上値上げしないで、って書いちゃったよ。
数年前の金額レベルに戻せとは言わない。それはもう無理でしょう。ただ、頼むからこれ以上……。

まあそんな運営側のなんだかんだは置いておいて。
ショーそのものは、かなり、面白いものになってきている気がする。
構成の散漫さは、いつにも増して感じられたりとかあるんだけれど(なんでも詰め込める「街」だからか、ホントに強引に適当に詰め込んだ印象なんだよなぁ)、“スケート”をより楽しく魅せるような方向になってきているな、と思って。
技術力のあるスケーターを要所要所で使ってくれたり。
今まではアンサンブルに埋もれてもったいないってことも多かったもの。恩ちゃんが入って視点のポイントが増えたこともあるのかな。

いろいろと考えつつも数日間本当に楽しんで観ることが出来ました。
今年は地方公演はどうしよう……と思いつつも、やっぱり通ってしまいそうな、かなり危険なような(笑)。
まずは8月の東伏見、東京公演。こつこつ貯蓄だ、ガンバレ自分(笑)。

スケーターの皆さん、本当にありがとう。
そして武史くん、夏に向かってガンバだ〜!(熱烈ファンに「重い…」なんて言わせないでおくれよお〜!!^^;)


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