−るんフィギュアスケート−
〜ちょっこしノスタルジー〜

フィギュアスケートとの出会いは、もう何時だかはっきりとはわからない。バレエやミュージカルが好きな両親(特に父親)のおかげで、物心付く頃には、ごく自然にそれらに接していたような気がする。

第一回目のNHK杯を覚えている。たぶんこれが、記憶にある一番古い映像。
渡部絵美さんが優勝し、エキシビションでは赤いコスチュームで、丸い大きなクリスタルのプレート(トロフィーに当たるものだと思う)を持って滑っていた。この後にレイクプラシッドオリンピックがあったのじゃなかったかな。五輪銅メダル候補だった絵美ちゃん。

そういえばその前後、プロになった佐野稔さんが、ガムかなんかのCMに出てたような絵が記憶にあるのだけれど。屋外で、バックフリップ跳んでるところ。う〜ん、まったくの記憶違いだったら笑える―――でも佐野さんだと思うんだけどなぁ……。


少女時代の憧れだった五十嵐文男さん。
わたしの個人的ファン歴は、何より五十嵐さんから始まった。今では名解説者として御活躍されているが、演技もほんとうに素晴らしかった! 五十嵐さんの現役時代を知っているのが、ちょっぴりの自慢、というより、とても嬉しい。

日本人男子で、初めてバレエなど舞踊の要素を本格的に取り入れたのは、五十嵐さんではないかしら。指先まで流れるように繊細で、尚且つ躍動的でダイナミック。ジャンプはもとより、スピンとステップが速くて独創的で美しかった。男子だって、走って跳んで、だけじゃないんだから。

当時、家にビデオなんてモノは無く……とてもとても……残念。海外通販で、五十嵐さんが4位(惜しい!)だったWorldのビデオを見つけてしまい――――買ってしまいそうでコワイ。
*追記・ついにこれは買ってしまったさぁ〜。わっはっは。詳細はこちら。当時と今と比べたり、とっても楽しく興味深いビデオでした。そして五十嵐さん!! やっぱり素敵よ♪

五十嵐さんと同時期、日本選手贔屓のわたしが珍しく大好きだったのが、スコット・ハミルトン。およそ貴公子とはちょっと言えないルックスで、でも素晴らしく軽快でスピード感に溢れ、観ていてほんとに楽しくなった。

以来、『剣の舞』を使う選手がいると、わたしはついついスコットの同プログラムを思い出してしまう。演技はもちろん皆それぞれの良さが有るのだけれど、でも展開のスピードは彼が段違いに速かったなぁと……。リズムを刻む音符ひとつひとつに、ステップが見事に乗っかってる、って感じだったと思うんだけど。この辺も録画が無いのがかなしい。

それから、デニス・ビールマンのビールマンスピン! 初めてあの技を観たときは、口がぱっかーんと開いて……文字どおり、塞がらなかった。に、人間技じゃない………。
未だに彼女以上に美しくこのスピンをできる人はいない、と言われるが、まさにその通り。
スピードの緩急、回転の数。全然違う。そして、彼女はとっても、キュートだった。


アイスダンスというと、サラエボオリンピックのトービル&ディーン
彼等に関しては、すでにさまざまに語られているけれども、やはり重ねて語らずにはいられない、あの伝説の『ボレロ』。
鳥肌が立つほどひきこまれたこと、母親がものすごく感動してたこと。

長野五輪前の特集で、彼らの演技を再度観た。ふたりで、ひとつの呼吸しかしていないと感じるほど、溶け合って。
凄かった。あれ以上のダンスを、未だ、観ていない。

カルガリーオリンピック、カタリナ・ヴィットデビ・トーマスが同じカルメンを使って話題になった。わたしはデビ・トーマスのエキシビションが大好きだった。お稽古はじめたばっかりのビギナースケーターが、本人は必死に美しく滑ってるつもり、って感じのプログラム。がに股へっぴり腰スピンがとんでもなくのろかったり、コスチュームのお尻の部分を気にしてことあるたびにひっぱったり。口を真一文字に結んで、しんっけんに、得意そうにやるから、よけい可笑しくて可愛かった。

そして、それ以上にカルガリーといえば、伊藤みどりちゃん!!
サラエボのときは、全日本優勝すればジュニア年齢でも出られるというところ、結局優勝を逃して行かれなかったんだっけ。
みどりちゃんは、N杯の特別演技(確か11歳?)をはっきり覚えているなぁ〜。コマのようにくるくると回って、他の人の演技が吹っ飛んでしまったような……。
衝撃度はかなり強かった。考えてみれば、特別演技なのに、2日間ともテレビで放映されたんだった、たしか。

カルガリーでは総合は5位だったけど、特別にエキシビションで一番最後に滑っていた。花を手に一輪持って―――テレビを観てるこっちも嬉しかった。
“彼女のスケートは幸せを与えてくれる”。

パリでのWorldは、最高に幸せだった! 歴史に残るトリプルアクセル成功の瞬間、そして演技中のガッツポーズ^^(おそらく彼女がはじめてじゃないか?)。
一般週刊誌までが「伊藤みどりのトリプルアクセルの瞬間」とかって、連続写真を並べていた。


みどりちゃんのつぎは佐藤有香ちゃん。
軽快で正確なエッジワークがとても魅力。
ステップで World Champion になったスケーターを、他に、知らない。
五輪上位者が出ていなかった、と言われるけれども、あの演技をもう一度観たら納得するだろうに。それほど素晴らしかった、幕張でのWorld(今だったら絶対現地に行ってるのにな)。

エキシビションの時は、テレビカメラも見せ場のステップになると、足元をアップにしていた。ストレートラインステップを端から端まで足元だけ追うなんて、大胆だけど観てるこっちも思いっきり高揚感が増してハッピー! あのカメラマンさんに拍手。「世界一のエッジワークを御覧下さい!」と言ったアナウンサー氏にも。

そしてそして――――――。
14歳の本田武史くんに出会ったのだった。


そう。
男子に関しては五十嵐さんからぽんっと武史くんに跳んでしまっているんですね。
なんでなんでしょ。好きなスケーターは、たくさんいるのだけれど……。武史くんは別格なのです。

とにかく、武史くんにはね、彼の夢をとことん追ってほしい。
それが、わたしにとっては20年越しの夢をかなえてくれることにもなったらいいなぁって。そんなふうにも思ったりするんですね。

Please show me your sparkle smile!!

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